暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
孤独感
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翼に傷跡をつけて落下してくるのが見えた。
レンはちらりと視界左上に表示された自分のHPバーを見た。
火炎ブレスをまともに喰らったせいか、それは注意域ギリギリのところで止まっていた。
「あぁーあ」
レンは落下している最後の生き残りに止めを刺すべく、右手を持ち上げた。
アインクラッド第五十層主街区【アルゲード】を簡潔に表現すれば、《猥雑》の一言に尽きる。
始まりの街にあるような巨大な施設はひとつとして存在せず、広大な面積いっぱいに無数の隘路が重層的に張り巡らされて、何を売るとも知れぬ妖しげな工房や、二度と出てこられないのではと思わせる宿屋などが軒を連ねてえる。
実際、アルゲードの裏通りに迷い込んで、数日出てこられなかったプレイヤーの話も枚挙に暇がないほどだ。
レンも、そっちゅうここに来ているが、いまだに道の半分も覚えていない。NPCの住人達にしても、クラスも定かでないような連中ばかりで、最近ではここをホームにしているプレイヤーも一癖二癖ある奴らばかりになってきたような気さえする。
レンは家に帰る前に、四神獣達からドロップしたアイテムを処分してしまうことにして、馴染み、というか第二の家になりつつある買い取り屋に足を向けて──
「あっ!屋台だ〜、美味しそう!おじさーん、これ一つ!」
「あいよ!」
いなかった。
近くにあったベンチに座り、揚げたてのチキン(に見えるもの)に息を吹きかけて冷ましていると──
「まさか本当に倒すとはナ」
背中合わせに設置されている後ろのベンチから、語尾に特徴的な鼻音が被さる甲高い声が聞こえてきた。
レンは振り向かずに、充分に冷えたチキンにかぶりつく。
肉汁が滴るそれをゆっくりと咀嚼しながら言う。
「もともと情報をくれたのはそっちでしょ?アルゴねーちゃん」
「にっひっひ。だがナ、まさかソロで挑むとは思ってなかったヨ」
《鼠》はけたけたと笑った。
「あれのどこが、難攻不落だって?一分ぐらいしかかからなかったんだけど」
「それはレン坊が最強なだけだヨ」
甲高い声は、少しだけむくれたような声を出し、なおも続ける。
「攻略ギルド選りすぐりのプレイヤーパーティーが撤退せざるをえないぐらいの強さだったんだゾ。それをいとも簡単に倒すレン坊がターミネーターなだけダ」
「うるさいなぁー」
レンはチキンを食べながらメインウインドウを開く。
素早くタブを切り替え、マップデータにアクセスすると、全てをまとめて羊皮紙アイテムにコピー。
オブジェクト化された小さなスクロールを取り上げると、後ろに放り投げる。
「ほい、ちょっとだけど六十九層の未開拓エリアのマップデー
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