第6話「さいかい」
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会室の前に先生が立っていた。しかも銃を持って。
「私、二日も寝てたので眠くならなくて...工藤君のように見回りに行くのは二人に止められたので、せめて見張りだけでもって...。」
「なるほど...あ、もう一度見回ってきます。」
「気を付けてくださいね?」
少しばかり心配だが、もし俺と同じ状態になっているのなら、ゾンビには気づかれづらいはずだ。
「三階はもういませんでした。」
二週目は特に何もなく、すぐに先生の所に戻ってこれた。
「そう...それなら安心ね...。」
「まぁ、二階にはまだまだいるでしょうから、一時的に、ですがね。」
先生の隣に立ち、少しばかり話をする。
「...先生、一つ、言っておきたい事があります。」
「...?なんでしょうか?」
「先生は...と言うより、俺と先生は、半分奴らと同じような存在になっています。」
「.....えっ?」
俺の言った言葉を飲み込めずに間の抜けた返事をする先生。
「俺は一度噛まれ、そしてワクチンで治療しました。しかし、温度覚のほとんどを失っており、さらには痛覚も一部欠落しています。...先生はどうですか?」
「っ.....そう、いえば...。」
心当たりがあるのか、顔を青くする先生。
「先生は俺よりもゾンビ化が進行...と言うよりかは、ほぼゾンビと化していました。正直、あそこから息を吹き返したのも奇跡かもしれません。だから、もしかすると俺よりも....。」
「温度覚と痛覚が失われてる...?」
「はい。それと、俺は奴らに気付かれにくくなっています。さすがに一定距離まで近づくと襲ってきますが、おそらく、仲間として見られているのでしょう。」
俺の言葉に少し考え込む先生。
「...ごめんなさい。ちょっと、怖くなってきちゃった...。」
「無理もありませんね。...人間じゃなくなったみたいな感覚ですから。」
体は死んだように冷たくなり、温度覚と痛覚が欠落する。人間の生態的にそんなのはありえないから、人間ではなくなったような恐怖感に襲われる。先生はそれが怖いのだろう。
「...さて、そろそろ休みましょうか。バリケードも見てきましたが、夜になったのが原因かは分かりませんが奴らの数も極端に減っていましたので、一晩程度なら寝ても大丈夫でしょう。」
「そう...ですね...。」
バリケードも簡単には突破されないほど丈夫だった。それに、奴らは人間を認識できるとはいえ、階段からここまで離れていたら反応もしないだろう。
「俺は近くの空いている部屋を使います。先生は?」
「多分、放送室にまだ私の寝る場所が残ってると思うから、そ
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