第6話「さいかい」
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廊下を見てみればまさに死屍累々な光景が広がっている。...我ながらひどいな。
「さぁ、行きましょうか。」
「ええ。」
階段を上って二階に上がる。すると、そこには...。
「バリケードか?」
「...これは、皆で作った...もう一度、組み立てたのね...。」
机が積み重ねられ、ワイヤーなどで固定されているバリケードがあった。
「...っと、よじ登れるな。先生、行けますか?」
「んしょ....うん、行けるわ。」
「なら、先に行っておいてください。奴らが来る可能性もあるので。」
バリケードを背に、警戒しておく。...尤も、今の所一階で数体見かけただけだが。
「んしょ、んしょ...ふう...。」
「行けましたか?...よし、俺も。」
さっさと机をよじ登り、バリケードを乗り越える。
「身軽ですね...。」
「この程度の壁はよじ登れないとダメだと親父に鍛えられましたから。」
「き、厳しいですね...。」
小さい頃からだったからその厳しさにも慣れちゃったよ...。(遠い目)
「では、行きましょう。」
「ええ。」
三階に着き、警戒を解かずに職員休憩室を抜ける。
「...人気がないな...。」
「みんな....。」
暗くなった廊下をライトで照らして見渡すが、奴らすら見当たらない。
「普段は、どこの部屋を拠点にしていたんですか?」
「えっと...普段は生徒会室で、寝るときは放送室を使ってたわ。」
「では、そこから見て行きましょう。」
生徒会室はすぐそこなので、佐倉先生を後ろに控えさせて警戒しながら開ける。
「っ....!」
「....っと。」
すると、中にはシャベルを持った少女と、後ろで包丁を持った少女がいた。
「せ、生存者....?」
「無事、生きてたみたいだな。」
パッと見た所、怪我も負ってないみたいだ。...疲労は目に見えてるが。
「ゆうりさん、くるみさん...。」
「め、めぐねえ!?」
「い、生きてたんですか!?」
後ろから佐倉先生も姿を現し、二人は先生に驚く。
「ええ。九死に一生をって所ね。」
「でも、めぐねえ、噛まれたのなら、どうやって...。」
「ワクチンを打ったのさ。」
シャベルを持った少女が噛まれたはずの事を言ったので、それに答える。
「偶々辿り着いた地下二階に、奴らになるのを防ぐワクチンがあったんだ。それを佐倉先生に打った。ただそれだけだよ。」
「...あんたは一体...。」
そりゃ、この中じゃ俺が仲間はずれか。疑われるのも仕方ない。
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