第十五話
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sideレミリア
フランは壊れた。
彼女は私が手こずっていた奴を、彼女の持つ武器『レーヴァテイン』で一瞬の内に焼き尽くした。
だが、それを行うまでの彼女は異常だった。
奴の全ての攻撃を身体で受け止めた。何度も身体を壊された。だが、彼女は笑っていた。
何度身体を壊されようとも吸血鬼は死なないだろう。
ただ、精神面では別だ。
攻撃を受ける度、身体が傷つく度にそれはすり減っていく。そして、フランは既に危険領域にまで届いていると思う。
フランはそれを紛らわす為に………狂った。
精神の崩壊から目を背ける。それは諸刃の剣だろう。壊れて行く物は、例え目を背けたとしても結局は壊れてしまうのだ。
目の前の、もう己を害する者も無く。唯々狂っていくフランを見る事が私には出来ない。
フランに私は何が出来るだろう。否、何も出来ないだろう。私には彼女を無力化出来るだけの力が無い、方法が無い、有るのは…………………
……彼女を閉じ込める部屋のみだから。
幸い、理性を失っているフランなら簡単に彼処へ誘導する事が出来ると思う。
───私は姉失格だ……。
自嘲気味に笑みが───出ることは無かった。出そうとも思わない。実の妹が狂ったから閉じ込める、そんな“あの二人”と同じ様な事しか出来ない私が凄く憎い。
男は既に死んでいる。それでもフランは止まる気配すらない。
高笑いし続けるフランを見上げる。
─────その時だった、変化があったのは。
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side月華
ゆっくりと周りを見回した。
少し遠いが紅い舘………紅魔館が見えている。そして、近くには「どうしてこうなった………?」と言わんばかりに大きなクレーター。
いや、本当にどうしたし? 何が有ったらこんな丸裸の土地が出来上がるんだよ!?
“言葉が出ない”を味わっていた時。「───月華?
」その一言で、我に返る。声のした方へ振り向くと、其処には、目に涙を浮かべたフランが─────居るなんてことは無く。
歪な形をした棒───レーヴァテインを上段に構えたフランだった。
「私の努力を返せぇぇぇぇ!!」
そして、上段に構えたレーヴァテインを俺に向かって振り下ろした。
「へ? ちょ、理不尽過ぎ─────ぶぼぁ!!?」
結果───俺は出オチよろしく、ぶっ飛ばされたのでした。ちゃんちゃん♪
「─────で、ああゆうのは駄目だと思うんだよ」
「知らない!私は悪くないもん、悪いのは全部月華ね?文句は?」
文句しか無いのですがそれは?
と、思いつ
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