第十四話
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ット的にも流石に同じ様な外見のキャラは三人も要らないと思うよ?どうなの、そこんところさぁ!?)
「何で私は出てきて早々、存在否定されないとイケナイのかな?一応私は初登場だしもっと『何だお前は!』みたいな感じの反応してくれないと困るんですけど!?───え?!何その『うわぁ……こいつメンドクセェ』って表情!もっと敬えよ!初登場者敬えよ!」
(そうだ、フランはどうなった?それと、俺は何でこんな所に居るんだ?)
「無視か、そうなんだな?……ま、簡潔に言うとフランは───私を受け入れた。これがどういう事か分かるか?」
(………………『どういう事だ!』なんて言えたらどれだけ良かっただろうな?)
月華は声を低くしてそう答えた。
月華は解った。目の前のこいつはやはり“狂気”で、それを受け入れたと言うのはつまり、フランが狂気に飲まれる事を選んだと言う事なのだ。
(……で、その受け入れられた狂気が俺に何の用だってんだ。まさか今のを伝えるだけだったとかだったら性格くっそ悪いぞ、お前)
「お前に性格悪いとか言われたく無いから。ま、本題に移るよ?と言っても貴方なら解ってるかもね?」
月華は首をかしげた。月華には特に思い当たるものは無かった。よって、目の前の狂気が言った事はさっぱり解らなかった。
(…………あ、思わせぶりとかいらないんで。お帰りはあちらです)
「………話すだけなら簡単な話だけど………。狂気をフランから引きはがす。一言で言えばそういう事よ」
……………“引きはがす”
それを聞いて月華も納得した。「不可能では無い」と。妖怪は恐怖という概念から産まれた不確かな存在。それは心の持ち用で何度でも復活するしあっという間に存在が消えていく。
恐怖とは即ち妖力。
意識を妖力が覆い。それが形を成して妖怪の肉体を作り出す。こいつは“狂気”という意識を妖力で覆い、新たな妖怪としてフランから分離すると言っているのだ。
だが、それは容易な事ではない。
自然現象に等しい、妖怪の発生を意図的に行うのだ、その成功率は極めて低い。
目の前のこいつはそれを分かって言っている。そして本気と来た。
「今なら大量の妖怪が死んだ事で、外はかなりの妖力が渦巻いてるの。これは都合がいいのよ、今なら分離して妖怪になる確率はかなり高い。それこそほぼ確実に………ね?」
フランは狂気に飲まれている。そこから助けるには俺たちがフランから出て行く必要がある。
フランの中で目覚めてから少しして、フランを守ろうとする意志が強くなっていた月華。そして、今回もそれが働いた。
(解った…………やろう。そんで、フランと今度は精神世界じゃない、現実で顔合わせて馬鹿やってやるぜ!)
「いや、あれは完全にフランの損でしょうに…
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