第十三話
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紅蓮の業火は大地を焼く。灼熱は肌を焼き、全てを焦がす。そして、紅蓮の炎は目の前の男へと殺到する。
火の粉が舞い。その一つ一つは、弾幕と成り男へ向かう。
焼け付く様な熱は周囲の気温を上げ、あっという間にサウナの如き熱量が辺りを包む。それでも二人は人では無い。ここまで暑くなっていても動きにこれっぽっちも制限がかかってはいなかった。
空にを飛び回っていた虫たちは次々と落ちていき、大地で燃える炎の薪として炎を絶やす事なく燃やし続ける。
そんな、絵に直したらどこか狂気的なその瞬間をフランは───何処か綺麗だと感じていた。
元々、彼女は狂気を持っていた。彼女の本能は、彼女の中で理性を持った部分と狂気を二分した。
結果、彼女の中には狂気の人格が芽生えたのだ。
その後、狂気の人格が変わった。それが月華だ。フランと分離されていた狂気は月華と言う人格により、フランから完全に離されていた。だが、月華の感情崩壊によって、フランの内に再び狂気を芽生えさせていた。
「あは、あは、アハハハハはハハハハはハ!!?」
元はフランの生み出した狂気。それはフランの心を異常な速さで蝕んでいった。
最早フランに戦闘を行っていると言う意識は無い。目の前の男の“身体に傷がつく”“苦悶に表情が歪む”“攻撃を防ぎきれず吹き飛ぶ”その一つ一つが面白い。
そして、彼女が求む最後の一つ。それは男の死。
(苦悶に歪む男の死体が見たい。それはさぞかし良い光景だろう。ああ、見てみたい見てみたい。それで私の心は満たされる?ワカラナイ。だったら殺ってみよう、それでどっちか解るでしょう?)
狂う、狂う。狂い過ぎて面白い、だから彼女は高笑う。
──傷つく事が面白い。男の腕が焼け爛れ、私の半身が弾け飛ぶ。
──男の反撃が面白い。私が“コワレ”自分が燃える。
生きてる事がオモシロイ。コワレル様がオモシロイ。苦悶のカオがオモシロイ─────
─────ソノ、────私ヲミル目ガオモシロイ。
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狂気に呑まれた者程厄介なものは無い。特にこの少女の姿をした吸血鬼程のモノは、かなり厄介な部類だ。
怪我を喜び、破壊を喜び、そして死を喜ぶ。
自らを顧みず、どんな怪我も笑って受けて、笑いながら命を狙って来る。
ガキと言えど吸血鬼。自称ながら最強種と言うだけ有って、油断は出来なかったがこうなっては俺もお手上げだ。力の供給がほぼ無いとはいえ、神の俺を圧倒しているのは流石と言うべきだろう。
いや、もう流石だなんて言える程強くないか。
信仰のない神なんて最早其処らの有象無象と変わらないだろう、なんだ端から勝てる戦いじゃあ無かった見たいだ。折角日ノ
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