第十二話
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煤けた道を作った。
「おいおい何だ??また新しい吸血鬼か」
男はひょいひょいと擬音が着くように軽々と、私の振るう“レーヴァテイン”を躱していく。
「フラ………ン?何で……何で此処にいる!!?」
何でって………。この駄姉め……
「私の目の前で死にかけてる“一応”親族の姉を助けに来たの!こんなできた妹を持って幸せだね??」
取り敢えずおねぇ様を煽る事も忘れない。
そのあいだにも男はちょこまかと逃げてむかつく。
男が光を撃ってきてた様だ。だが、私には当たらない。レバ剣から出た超高熱は陽炎を起こした。
簡単に言って、光の屈折によって起こる陽炎がこちらへ飛んできた光を明後日の方へ飛ばしたのだ。
「んあ、外れた?おっかしいな??確に狙ったんだ……が!」
再び飛んできた、結果は同じ。陽炎が光を明後日の方へ飛ばす。
「うお!?なんだなんだ! 何したんだお前?すげぇな!」
「っつ!?」
私の目の前で腕が舞った。
私の腕だ。光の攻撃が通用しないとわかった途端、私の腕を切り裂いた様だ。引き裂くと言うより“引きちぎる”という方が正しい気もするが……。
腕は一瞬で再生した。
私は男を油断なく見据える。月華の為に書庫を漁った時に偶然見つけた『剣の構え方ー入門編ー』で見た構えを実践してみる。
生きてて何が起こるかなんて本当に解らないな……。
まさか、偶然読んだ本の内容が活躍するなんて思っても見なかった。
「あー……何だ、あいつ、お前の姉なのか?」
男はおねぇ様を指差してそう言った。
嘘つく理由の無いので頷いておく。
「ふーん。そうなのか」
聞いてきたにも関わらず素っ気ない返答で返してきた男に苛立ちを感るが、黙っている事にした。
男は棒立ちのまま他人を小馬鹿にしたような顔で言った。
「おら、かかって来い。本気は出さないでやるからよ?だから、ほら?泣くんじゃねぇぞ!?」
私の“レーヴァテイン”が今までに無い程の火力を纏った瞬間だった。
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