第十二話
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「っつ!何であいつが!?」
フランお嬢様がそう叫んだ。
今私も同じように叫びたい気分だ、少なくとも目の前で死んだ筈の“人間”が再び姿を現す何て話し聞いたことない。
能力で復活?死んでも蘇る能力なんてある筈がない。
死は不変、二度と死した者は蘇ることは無いのだから。
では、他人の空似か?と言えばそれは無い。
私の能力が告げている、『あの者は先の者と同じ』だと。気が全く同じ者が二人居るなんてことは無い。
唯一有るとしても、死んでからすぐさま転生出来るので有れば可能かも知れない。
だが、それでは結局あそこに居るのはさっきの男である。
だが今はどうやって死んだ筈の男が戻って来たよりも、明らかに先ほどとは違う気配を纏った男である。
上空から降った光に腕を貫かれたレミリアお嬢様、そしてそれを見下ろす男。
このままだと確実にレミリアお嬢様が殺される。
「フランお嬢様、私はあそこへ………」
『あそこへ行きます』そう言おうとしたら、フランお嬢様が私を手で制した。
フランお嬢様の顔は何かを覚悟した様な顔。
そんな表情で一歩踏み出したフランお嬢様を私は咄嗟に呼び止めた。
「フランお嬢様!?何する積もりですか!」
「何って……あのままだとおねぇ様死ぬじゃん。今おねぇ様に死なれるのは困るし、めーりんだっておねぇ様が死ぬのを黙って見てる訳にもいかない。だ・け・ど、今のめーりんに戦闘はまだ無理だし、だったら私がおねぇ様のとこに行くのが普通じゃない?」
フランお嬢様が言ったことは確かだ。
今の私では、フランお嬢様にさえあっという間にやられてしまうだろう。だが!
「フランお嬢様が行くと言うのは許容出来ませんね。それに、あんな方々でも私はあなた方のご両親からお二人を守る様言われて居るのでね」
「じゃあどうするの?私もダメ、かと言ってめーりんも使えない。だったらどうやっておねぇ様を助けるって言うのよ?」
………そう言われたら頭が痛い。
私が行くと言っても、フランお嬢様は許してくれないだろう。それこそ「だったら私が行く」と言いかねない。
私達以外に彼処へ向かえるものも居ない。
どうすれば………?どうすれば……!?
「…………無い、のね?だったら私が「それはダメです!」……! だったらどうするの!?今、この瞬間にもおねぇ様が死ぬかも知れないのよ?こんな問答してる場合じゃないわあれもダメ?、これもダメ?で、だったらどうするつもりなの!?」
鬼気迫る勢いで、私を問いただすフランお嬢様。
その表情には焦り、苛立ち、恐怖。様々な感情が入り混じっていた。
駄目だ、“この子”を彼処へ行かせてはいけない。
何故気づかなかった、この子の気の流れはとても乱れてるじゃないか。このフランお嬢様じゃあ、今
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ