第九話
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まった。迫ってくる妖怪達、一体どれだけ裁けるか?
これで私は死ぬかも知れない。だけど、それで良い。私の目的はお嬢様達を逃がす事、例え私が死んだとしても時間さえ稼げればそれで良い。
力一杯拳を握る、心を落ち着ける、少しばかり乱れた呼吸を調えて、私はその身を翻る。
さぁ来い、一匹でも多く───
───殺してやろう!
直後、私と妖怪達の咆哮が辺りを埋め尽くした。
──────────────────────
どれだけ戦ったのか……?
もはや時間の感覚が麻痺してしまった。
妖怪も百や二百の枠には収まらない数を倒してきた。
私には返り血、そして己が血に染まり、真っ赤になっていた。
未だ何百居るかさえわからない妖怪達の前に、私はもう満身創痍、勝ち目など無かった。
「グォォォォ!!」
「………シッ!」
襲いかかって来たケモノ型の妖怪を一撃の元叩き潰す。
周囲は完全に地獄絵図。血塗れの私と、私を囲む沢山の妖怪達、周囲は血の海に浮かぶ妖怪の死体。
これを地獄絵図と言わずなんと言う?
「はぁぁぁぁぁ!!」
「………ふんっ……」
後ろから来た妖怪の頭に気弾を叩き込む。虹色の弾は妖怪の頭を弾けさせた。
「一斉にかかれ!奴はもう死に体だ、一気に終わらせろ!」
一斉に……か。終わったな、私。
お嬢様達は大丈夫かな?
あはは……こんな時まで自分以外の事を考えられるなんて………。
…………もっと生きたかったな……、いや、こうなったら最後まで抗ってやろう。いっそ、こいつ等なんか全員倒してやろう。
そう思ったら不思議と力が湧いてくる気がした。
最後の気力を振り絞り、構える。
「「「グォォォォ!!」」」
「うぉぉぉぉぉぉ!!」
叫んで気持ちを再び昂らせる、四方から来る妖怪達の攻撃を捌く、捌く、捌く、捌く、捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く捌く─────────捌く。
自分でも驚く程動けていたが………それも終わりを告げた。
膝から力がガクッと抜ける。
立とうにも力が入らない。迫る妖怪の拳がやたら遅く見える。
走馬灯は………見えない。走馬灯なんてガセだったのか?。そんな呑気な事だって考える余裕がある。
レミリア様フラン様………頑張って生きて下さい……。
そして妖怪の拳が私に届こうとした─────瞬間。
「『グングニル』!!」
「『レーヴァテイン』!!」
───突然飛来した槍と業火によって防がれた。
「「美鈴」」
目の前に現れた二人の小さな背中。
何で逃げていないのか?何でここに来たのか?問い詰めたくなった、だが。
「「助けに来たわよ!(助けに
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