第八話
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
という気持ちを掻き立てた。
どうしても“外”が見たくなったから………。
今こうして舘の屋根で黄昏てるけど、実際これが久しぶりの屋外だったりする。
もう一度空を見上げる。だが、そこで異変に気付いた。
暗い、それこそ月明かりがまたはっきりと見えるまでに暗くなっていた。
反射的に東に目を向けると、太陽がどんどん“沈んで”行くのが見えた。
常識的におかしい。それこそ月華が言ってたバカ○ンの世界じゃあるまいし、太陽が東に沈む筈が無い。
太陽が沈んで行く東の空をじっと見つめる。
吸血鬼は強力な夜目を持っている。
それは僅か、星々のほんの小さなまたたきでさえ闇の世界を見通すことが出来る、夜の王の名はだてではないのだ。
東の“空”にはぽつぽつと何かの影が見え始めていた。
あれは………人型の影?だけど人は単体で飛べない筈………じゃあ、妖怪?
何故突然?攻め込むにしても数が少な過ぎる……?
少しづつ姿が見えてきた、あれは………ガーゴイル?
何でガーゴイルが………?
ついに太陽が完全に沈み、再び夜に戻った。
そして、見つけてしまった。ガーゴイル達の下、東側に何百、何千………万は下らない数の妖怪の大群がこちらへ向かって来ていたから。
「うそっ!?」
咄嗟の事で声が出てしまった。
空のガーゴイルに気を取られ、逆光もあって下がおろそかになってしまっていた。
空のガーゴイルを初めとして、“人狼”“屍喰鬼”を主軸にしたようね。
かなり色々な種族が居る様だが、主な種族は今の三種族だった。
そりゃぁ日が出てたら屍喰鬼がダメになっちゃうか。
しかも、日をどうやって落としたのかは分からないけど理由ならだいたい予想がつく。
吸血鬼の不意を着くため。
多分あの中には紅魔館から出て行った奴らも居ると思う。
相手は高々百年程度生きた吸血鬼二人と多少戦えるメイドが一人。とか、思ってそうね…………。
寧ろ、取り敢えずここを襲った。みたいな考えでこうやって進軍してきてるとさえ思えてきた。
襲われる側としては、最強種なんて言われる吸血鬼なんだから多少は警戒して欲しい………。
だけど、談笑しながら来られてはこちらの顔が立たない。いや、別に立てて欲しい訳でもないけど………。
とにかく!
二人にも………めーりんに知らせないとダメだよね!?
私は舘内に戻ると、めーりんの私室へ向ったのだ。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ