第六話
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着いたのだ。
そして、月華から話を聞く前に月華自らが話し始めれる様になるまで待つことにしたのだ。
月華が話してくれるまで待つつもりは無いが、少なくとも今は月華を労わった方が良いと判断した。
月華は既に本に視線を戻してしまい、反応は期待しない方が良いだろう。
それに月華が自ら話す事が出来る様になるにはただ待つだけではダメだろう。
そこでフランは思い出した。
この屋敷には大きな図書室が有る、其処なら月華の様な者を治す為の本もあるかも知れない。
思い立ったが吉日。
フランは颯爽と精神世界から出て自らの身体へ戻ると、自分の部屋の扉の前に立った。
扉へ右手を伸ばす。
「(月華…………待ってて!)ギュッとして…………………………ドカーーン!!!」
扉が粉々に壊れた。
さっさと部屋から出たフランは図書室を探しに駆け出した。
図書室を探し出すのにはさほど時間は掛からなかった。
と言っても、実際図書室は地下に有ったのでフランの部屋のすぐそばに有ったのだ。
なので、部屋自体は直ぐに見つかったが問題は図書室に有る本の数だ。
天井まで届く壁と一体化した本棚。
そして、同じく天井まで届く本棚が一人分の間隔を開けてズラリと並んでいた。
しかも、その本棚一つ一つにぎっしりと本が詰まっていて、さほど広くない図書室に大量の本が保管されていた。
フランはそれを見て絶句した。
確かに大量にあるのは覚悟していたがまさかこんなに有るなんて思っても見なかったのだろう。
そして“取り敢えず適当に探してれば見つかるだろう”何て甘い考えをしていた自分をのろった。
四つん這いで項垂れていたフランは顔を上げると取り敢えず手近かな本棚から本を出し始めた。
──────────────────────
爆音。
突然地下から聞こえてきた音は私を不安にさせるのには十分な音だった。
「っつ!?……………まさか………フラン?」
レミリア・スカーレットはそう呟いた。
彼女は先日、自身の妹であるフランドール・スカーレットによって親を殺された。
当然フランドールの親でもあったのだが………。
だが、彼女はフランドールに恨みも、怒りも持ってはいない。
彼女の能力は“運命を操る程度の能力”これから先の枝分かれして無限に広がる運命を見て、操る事が出来る能力だ。
本人は現状操る事はまだ出来ないが“観る”事は出来るらしい。その人が辿るであろう運命、そして“辿ってきた”運命さえも…………。
自身の能力でフランドールを観た時、彼女は自身の妹へ言った言葉を後悔した。
『親殺し』もう、自分が言った言葉は取り消せない。
その言葉を言ってしまった時の妹の顔が脳裏を過ぎる。
光の消える瞳、
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