第五話
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思ったが、この屋敷中を無闇に歩き回ってフランの家族に起きられたら意味が無い。
『さて、出るよ?』
フランはそう言うと、窓から離れて右手をその窓へ向けた。
そして、ゆっくりとその右手を閉じていき──────
─────刹那、フランの足下が爆ぜた。
『っつ………!!』
「んなっ!?」
フランは咄嗟によけるが爆風に煽られて思いっきり吹き飛んだ。
「おいおい!一体誰だよ!?…………!」
自分で言って気が付いた。此処はフランの家だ、そしてその中で襲って来る者など……………。
いや、まだ決まった訳ではない。
そう自分に言い聞かせる。
だが、現実は非常であった。
『…………何をしている?“フランドール”』
聴こえて来た威厳の有る声音。
そして、感じる。フランの動揺。
『お……お父さま。お母さま………』
!………あれが……フランの両親か。
フランの視界に映る二人の影。
紫色の髪をして、蝙蝠の様な羽のある男。そして、金髪にフランと同じ羽………フランをそのまま大人にした様な女性が立っていた。
『何度も言わせるなフランドール。何をしている?』
ギロリと睨みつけながら問いただそうとする男。
その目には“怒り”よりも、“苛立ち”や“恐怖”といった感情が出ていた。
残念ながら子供が悪い事をしたから“叱る”時に出す感情では無いだろう。
『あなた、強く出過ぎですよ?フランが怯えてるじゃありませんか』
男を遮って女性がフランの前に出た。
あれがフランの母親なのか………。
『全く………フラン、貴女のお父様を許してあげてね?さっ!今日は皆で食事にしましょう!』
そう言ってフランに手を伸ばすフランの母親。
フランがその手に触れようと手を伸ばそうとした瞬間─────
フランの身体に鎖が巻きついた。
そして、そのままフランは再び吹き飛ばされた。
今度は爆分なんて生易しいものでは無く、フランに直撃した。
そして、フランに巻きついた鎖を引かれ身体を持ち上げられる。
『ふん、フランドール。貴様が我の言いつけを守らなかった罰だ、甘んじて受けろ!!』
そう言って男はフランに殴る、蹴るの暴力を行い出した。
嘘だろ………。これが親のやる事か!?
「フラン!俺と変われ!お前は何も悪くない!!」
『……………じゃあ………月華は何か悪い事した?』
………え?何言ってんだ?
『私がお父さまの言いつけを破ったのは本当の事だし………』
だけど!!
『月華………………私は大丈夫だよ』
こう話している間にもフランは目の前の男から罰と言うなの暴力を受けている。
『反省したかフラ
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