第一話
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また、頭痛が酷くなる。
しかも今度は何かが底から上がって来るような感覚、だんだん意識が薄れて行くのが解る。
そして、俺の意識が完全に落ちる。だが、その瞬間聴いた気がした。
『私の身体、返して!』と…………………。
あれから、何度か同じ様な事が有った。
気付けばまたあの部屋に居て暫くするとまた、とんでもない頭痛がしてから“あの声”が聞こえて意識が堕ちる。個人的にはあの頭痛は何とかして欲しいんだけど………。
いや、それ以前に………………。
「どうしてこうなったんだろう………?」
何度言った言葉だろう?意識が戻ってから必ず言っているんだが………。
にしても一人で何も無い部屋に居ると本当に独り言が多くなるな。時計も無いし時間経過が解らないから必然的に独り言が多くなっていく、何て言うかむなしいです。
最初の頃はこの部屋の中を色々と見てみたけど、頭の取れた人形とか、何か壊れたおもちゃでベッドの下が埋まってたし。
あの時は一種の恐怖を感じたね。うん、子供怖い。
俺はそのベッドに仰向けに倒れると天井を見上げ、また1つため息を着いた。
視界に入る金色の髪、首筋に当たってチクチクする。元男の俺からしたら未だ全然慣れないその違和感に顔を歪めながら、ただただぼーっとする。
暇だ………だけどこの部屋には暇をつぶせそうな物は何も無いしさぁ………。
第一こんななんも無い所に幼女を閉じ込めるとは何たる仕打ち!きっとベッドの下にある壊れたおもちゃは、この幼女のストレス発散の道具だったのでは無いだろうか?
そう考えるとこの幼女を閉じ込めた奴は、閉じ込めておもちゃを与えたが壊すので与えるのを辞めたのではないか?
このぉ!!第一この幼女を閉じ込めなければ良いんじゃないか!絶対そいつに合った一発殴る!いや、一発じゃ足りん、顔が変形するまで殴る!主に左を!理由?俺が右利きだからだ!
ハァ………ハァ…………。
まぁ、要するに暇すぎるって事が言いたかったんだ。
せめてTV位有ればまだ良かったと思うよ………。無いものねだりしてもしょうが無いことは解ってるけどさ…………?
だって、高校生とっくに卒業して深夜以外ニュースかバラエティ位しか見なくなる年齢だよ?そんなやつが教育テレビのアニメでも良いから見たいって思うくらいだかんな!?
俺でそんな事になってんのにこんな幼女が耐えられる訳が無いだろ!…………って
「っつ……………!」
頭痛だ…………。どうやら今日は終わりか…………。
一応俺は頭痛が来て、気を失って、また気がついたら1日って事にしている。俺にしてみれば頭痛は1日の終わりだ。
さて、そろそろ“あの声”が聞こえて来る頃だと思うんだけど…………この頭痛結構辛いんだよ………。
『
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