第一話
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気が付けば俺は見知らぬ部屋にいた。
何が起こったのかは分からない、本当に気が付いたらここに居たんだ。例えるなら授業中ぼーっとしてたら先生に指されて気付く。だが、呼ばれるまで先生が何を言っていたのかは分からない。それと同じ。
この部屋はかなり目に悪い。
壁紙、カーペット等、基調なんてレベルじゃ無い位赤い。真っ赤っかである。
それこそ、まるで“血”の様な………?
いや、気のせいだろう。そんな事よりこの部屋から出よう。
ガチャ
………………………………………………………………………………………あるぇ?
ガチャ、ガチャ、ガチャガチャ、ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ………………
………………………開かない。
嘘だろ………こんな脱出ゲーム的展開聞いてないよ!?
落ち着け?落ち着け?………良し、落ち着………く訳ないよ!?あぁ?何をしてんだ、落ち着け?、素数だ、素数を数えよう。
…………………………あ、素数分かんね。
ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!ちゃんと勉強しとけば良かったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
糞っ!いきなりこんなとこに居るし、脱出ゲームは苦手な部類だし、素数分かんないし………。
寧ろ、一周回って落ち着いてきたし………。
「はぁ……………………え?」
今、女の子の声が……………。
咄嗟に部屋の中を見回すが誰もいない。そう、“自分”を除いて。
「………………………あ」
まただ、というかもう決まったも同然だ。俺は自分の姿を見下ろす。
視界に入るのは真っ赤なカーペット、そして、自分の記憶に有るようなズボンを履いた脚では無く。カーペットの様な赤いスカート。
俺は無意識的に股間に手を伸ばしていた。
スカートの上から、まさぐるが今まで“有った”モノが“無くなって”いた。
顔から血の気が引いて行くのが分かる。
色んなゲームやラノベで似たような事になってる描写を見たことは有るが、あんなもんじゃ無い。
まさかショックで固まる何てことを自分が味わうとは…………。
数分か、それとも数十分か立った頃、やっと無くなった事に思考が追いつくと同時に、“それ”が有った場所に猛烈な気持ち悪さを感じ始めた。
今まで有ったモノが無くなる。人は腕や脚などを欠損すると、無くなった筈の部分が痛みだす『幻肢痛』と言うものがある。今のも近からずとも遠からずと言った所だろうか?
気持ち悪い。真面目に立って要られずしゃがんでしまう。
『気持ち悪い』思考がそれだけに飲まれていく。頭痛も酷い。
たった一部が変化しただけでこんなに辛いのか?流石におかしくないか?もっと、何かが根本から変わってしまった様な……………。
「ぐぅ………っ!」
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