月下に咲く薔薇 17.
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あるようだが、それでも犬や猫の鳴き声と持ち幅は大して変わらない。
レントン達2人には、その「モキュ」でニルヴァーシュの言わんとする事が理解できるという。
「私にも、いつものモキューにしか聞こえないのよ。それは仕方ないわね」そして、リーロンはタブレット端末をガロード達にも見えるようにくるりと裏返した。「一応解析してみたんだけど、ノイズの類も入ってないのよ。だけどレントンは、出撃前と違うって言うの。今の調べ方じゃお手上げね」
ティファはしばらくニルヴァーシュを見上げ、その後リーロンを見つめた。
「アムロさんを呼んで。それからνガンダムをここに」
「え…?」
ティファの言葉はいつも少なく、要望を中心に周囲に伝える。
それ以上彼女は語らなかったが、クロウ達もリーロンも想像したものは1つだった。
νガンダムに搭載されているサイコフレーム。彼女はそれを使い、思考の共有によるコミュニケーションを試みるべきと進言しているのだ。
クロウは、開いた自分の右の掌を見つめながら考えに浸る。
もし。もし体内の異物が、単なる糸の断片ではなくアイムの言う「残された者共」の仕込んだ別の何かだとしたら。ティファの言う声の主は、その正体と取り出し方について教えてくれるのだろうか。
おそらくは、ニルヴァーシュの異常という話に自分が呼ばれている理由もその辺りにある。
慌ただしく動くリーロンとνガンダムの登場を、ガロードとロックオンだけがぽかんと立ち尽くし見物していた。
「あれ? アムロさん…」
当然、レントンの反応もロックオン達と大差ない。
レントン達を驚かせたνガンダムは、ZEUTHのアムロが使用するニュータイプ専用ガンダムだ。フィンファンネルと呼ばれる可変子機を複数左身に背負っている為、左右非対称のシルエットを床に落とす。
多くのガンダムがそうであるように機体は白く、腰には件のサイコフレームを搭載していた。
感応機であるニルヴァーシュの為に、感応機のνガンダムを用意する。ここから先は、武器の使用では見る事の叶わない世界が広がりそうだ。
「そのままでいいわ、レントン。これからティファに代わるから、彼女の指示に従ってちょうだい」
用意したヘッドセットをリーロンがティファに渡すと、彼女は小さな声でゆっくりと話し始める。
「レントン。エウレカ。今から、クロウさんとニルヴァーシュをνガンダムで繋ぐの。コクピットで声を聞いて。ニルヴァーシュの声と、別な誰かの声を」
「え?」
事情の見えないレントンが、ニルヴァーシュの中でつい呆けた。
ティファが続ける。
「νガンダムのサイコフレームが起動している間だけ、レントン達とニルヴァーシュを繋いでくれるの。もう一度話ができるようになるわ」
得たりと確信し、クロウはにやりとした。
「
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