第四十九話 魔の塔
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大広間に戻ると、ドリスが慌てて駆け寄ってきた。
「大変だ、大変なんだよ皆!」
「どうしたの、ドリス。何かあったの!?」
余りにも慌てている様子に不安を感じて私が聞くと、ドリスは震えながら言った。
「ゲバン大臣が、どこにもいないんだ」
「大臣も連れ去られたのか!?」
アベルが叫びながら言うと、ドリスは弱々しい声で言った。
「私……、見たんだよ。ビアンカさんが魔物に連れ去られた方角に、大臣らしき人影が飛んでいたのを……」
それを聞いた途端、私達全員に衝撃が走ったのを感じた。
ドリスの言うことが本当なら……それは大臣がビアンカ誘拐の手引きをし、グランバニアを魔物に襲撃させたという事になる。
「それは本当か!ドリス!」
私達の話を聞いていたのか、オジロンさんが食いかかったけどドリスは残念そうに頷いた。
「何と……、ゲバンが……」
オジロンさんはそう言うと、顔を両手に埋めた。
私達は何と声をかけていいかわからずどう言うべきか悩んでいると、オジロンさんが手を離して私達に言った。
「アベル達よ……。必ずビアンカ王妃を連れ戻してくれ。そして……、」
オジロンさんはそこで一旦言葉を切った。
「そしてゲバンに何故魔物と手を組んだのか、その真意を尋ねてほしい」
「……わかりました」
アベルは不承不承という感じで返事をした。
「済まぬな……。でも、私はゲバンを信じていたいのだ……」
*
あの後私達はゲバン大臣の部屋を捜索した結果、大臣の居場所がグランバニアから遥か北のデモンズタワーだという事がわかった。
戦いの仕度を整えてデモンズタワーの中に入ったのはいいんだけど、入った途端魔物達の襲撃にあった。
ホークマンをアベルの炎のブーメランが撃墜し、厄介な踊りをするデビルダンサーにはペストカレを唱えて踊りを封じ、倒れた仲間をザオラルで蘇生しようとするオークキングにはマーリンがマホトーンでザオラルを妨害させ、2つの盾で身を守ろうとするシールドヒッポにはピエールのイオラとメッキーの凍える吹雪で対処した。
辺りを見渡すと今はこれ以上敵が出る気配はなさそうだったから、構えていたグリンガムの鞭を下げた。
「それにしても、ここの敵はかなり強いね」
私がそう言うと、ピエールは頷きながら言った。
「我々が出発する前に貰った装備が、ここでの戦いにかなり役立っていますな」
ピエールのその言葉に、私は自分が身につけている装備品を見る。
前までの防具は身躱しの服に鉄の胸当てだったけど、今は水の羽衣にホワイトシールドという魔法とブレスの他にも物理攻撃に対処できるようになっている。
アベルは特に装備の違いが無いけ
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