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竜のもうひとつの瞳
第三十六話
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知ったことじゃないし。

 「アナタ、タクティシャ〜ン。洗礼名ハ、サンデー……“サンデー毛利”トシテ、愛ヲ語ライマショ〜ウ」

 「我は……」

 ……こりゃ駄目だ、完璧落ちた。逃げよう。

 踵を返して一目散にその場から逃げ出した。
何処に潜んでたのか分からない教徒やすっかり寝返ってしまった捨て駒さん達に行く手を阻まれるもんだから、それを逐一駆除して走り回ってる。

 ここは海が近い。船にでも飛び乗ってしまえば追っては来られないだろう。

 「逃ガシマセ〜ンヨ!」

 妙なイントネーションが聞こえたと振り返ったところで、突然網が頭の上から降ってくる。
気を取られたプラス動揺してうっかり力を網だけに使ったのがいけなかった。
背後に回っていた奴に思いきり殴られて、私はそのまま気を失ってしまった。

 こんなところで捕まったら絶対大変なことになるってのに……ごめんね、小十郎。
お姉ちゃんがおかしくなっても、絶望しないでね? それとアンタはザビー教に入信しないでね?
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