第三十六話
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者と間違われたという話に繋がってくるわけだ。
長曾我部さんと戦になりそうだって話を覚えているかな。
この長曾我部ってのはからくりの開発が得意らしくて、つい最近も富岳という大型の戦艦を作ったらしい。
これは水陸両用で、船にもなるし戦車にもなるしという本当に便利な代物だという。
それを見た毛利がつい欲しくなっちゃったとかで、上手く騙して自分のものにして
勝手に改造を始めちゃって、それで不仲になったんだそうだ。
……そりゃ、アンタが全面的に悪い。
そう言いたくなったけど、この女王様にそんなことを言おうものなら何をされるか分からないから
何も言わなかったけどもさ。
勝手に改造しちゃってる戦艦の名は日輪、照日大鏡以上の威力を持つ大鏡を据えるとかで、
それが完成すればザビー教など大したことはない……らしい。
とはいえ、日輪の完成まで二、三ヶ月はかかるみたいで、
そこまで待っていられないと照日大鏡の改良版を開発させてるらしいんだけど。
「……あの歌に免疫がある人が飛び込んでって壊しちゃった方が早いんじゃないのかなぁ」
「そのような者がおるのならば、とうにやっておるわ」
馬鹿め、と言いたそうな毛利に正直イラついたけど、多分この人も電波ソングの餌食になるクチなんだろう。
耳栓バッチリ付けてたし。
「そなたが行くのが一番早いようにも思うが」
冗談、だって貴方、絶対に捨て駒にするでしょ? もう分かってんだから。
「改良した照日大鏡ももう後二、三日ほどで完成する。そうなれば戦に出ることになる。片倉よ、そなたも準備をしておけ」
「分かっ」
……片倉? 今、片倉って言ったよね?
「……やっぱり素性をご存知でしたか」
「我を誰と思っておるのだ。とうに分かっておる。
独眼竜の隠された右目、竜の宝珠、影で糸を操る者……そなたの評判もなかなかのものぞ」
その影で糸をってのは何なんだっての。
そんな黒幕的な言い方しなくたって……私、政宗様操ってるわけじゃないし。
ついでにその評判詳しく聞きたいわ。絶対ろくなもんじゃないって自信はある。
「東の智将、竜の右目片倉小十郎……気に食わんが、それと並ぶと称されたそなたよ。しかと働いてもらうぞ」
「……あちらから貰ってしまった金額分の働きはしますよ」
東の智将ねぇ……西の智将は自分だと言いたいんだろうか。
まぁ、竹中さんと並んで腹黒そう、いやこっちの方がどす黒そうではあるかしら。
うちの小十郎がまだ白く見えてくるよ。いや、アレは違った意味で黒いか。純粋な黒って感じで。
さて、照日大鏡改良版が完成し、いよいよザビー教の本拠地であるザビー城に乗り込むことになった。
出発した日は雨
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