第三十五話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
りに話は進まないかもしれないけど、
ここがしっかりと固まらないと仮に天下を獲ったとしても三日天下で終わっちゃいそうな気さえする。
つかね、政宗様のスタンスは他と同盟組んだりして仲良くやろうって感じじゃないから、
信頼を集めるのは難しそうなんだよね。民からじゃなくて各地の武将から。
あの人結構捻くれてるから、理解されるのも難しいと思うし、この人なら自分の身を任せてもいいと万人に妥協させられるだけの力がない。
カリスマ性ってのは人を惹き付ける半面、強い拒絶を齎すこともある。
あの人はカリスマ性が高い上に捻くれてるからその分だけ敵を作りやすい。
それで天下人にさせても内部から瓦解するのは目に見えている。
「今のあの人に天下獲らせても泰平の世は来ないでしょう。下手したら力で抑えつけるような政治をするかもしれませんし。
あと十年遅くチャンスが来てれば、見込みはあったかもしれませんが」
あんまりよく知ってるわけじゃないけど、何十年もかけて、って展開はないと思う。
だって、キャラ重視のゲームの世界だしさ、あんまりおっさんになっちゃうと魅力なくなるでしょ。
だから下手すれば一年くらいで徳川幕府が開かれちゃうかもしれない。
十年くらいあれば人として落ち着いてくると思うけど、今のあの人にそれを求めるのは難しい。
だって、好きな女を手篭めにしてモノにしようとしたんだよ?
十九とはいえ、まだまだ子供なんだよね。あの人は。
……まぁ、そうなるように育てられなかったのは私や小十郎の責任もあるんだけども。
「……そなたは正しく見ておるのだな」
「正しく……まぁ、少なくとも自分の主が天下を獲れると盲信することはないですね」
「ならば問う。この天下は誰が納めると見る」
おー、直球で来ましたね。まぁ、その問いに答えるとするならば。
「三河の徳川家康公、私はそう踏んでおります」
これしかないでしょう。だって史実で徳川幕府築いた人だし。
「何故そう見る」
「人望に厚く、人心を裏切らない。ゆえに信奉者が多いと聞きます。
誰が天下を獲っても不満は起こるでしょう。
しかし、この人が獲るのならばそれも仕方がないかと思わせるくらいの人物でなければ、天下は纏まりません。
時には力を誇示することも必要でしょうが、そればかりでは人は離れていきます」
「……なるほど」
納得したようなしてないような、よく分からないけれど毛利はまた無表情に戻った。
「そなたのような者が我の元におればな……」
意味深なその言葉を、私は軽く聞き流すことにした。
必要とされるのはまぁ、嬉しくないわけじゃない。
けれど、どうにもこの毛利さん、何となくだけど気が許せないというか何
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ