第六章
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「絶対にね」
「じゃあ何だ?」
「このクルタ見てたら」
どうしてもという口調での言葉だった。
「着たくなったから」
「それでか」
「そう、着ていい?」
「着替えるにしてもな」
着るとなれば着替える、だからだ。
ラスルはタハミーネにだ、こう答えた。
「物陰でちゃんとしろよ」
「そんなの当たり前でしょ」
タハミーネは兄に口を尖らせて言い返した。
「誰が人前で着替えるのよ」
「だといいけれどな」
「じゃあ今からね」
「着替えるか」
「そうするわ」94
こう答えてだった、タハミーネは。
服を持って物陰に入ってだ、そこから兄に言った。
「覗かないでね」
「何でそうするんだ」
「だって女の子の着替えよ」
「俺は人の着替えを覗く趣味はないんだよ」
「そうなの」
「見たらいけないものを見たりするからな」
だからだというのだ。
「そんなことはしないんだよ」
「見たらいけないものって?」
「色々とだよ、怪我とかな」
そういう服が隠しているものをというのだ。
「だからだよ」
「覗かないのね」
「そうだよ、だから御前もな」
「お兄ちゃん以外の人にね」
「見られない様にしろよ」
「それじゃあね」
タハミーネは兄に応えてだった、そのクルタを持って。
物陰に入ってすぐに出て来た、その時の彼女の姿はというと。
赤で膝まであるワンピースにだ、胸から膝まで左右縦に並んで向日葵模様が入っていた。色はピンクに白、木色、緑に青と一つ一つが様々な色で袖にもある。
スカートの裾のところには菫の形のやはり様々な色の花がここでは横に並んでいる。赤いクルタの下には白い下着が見える。そしてズボンのロジムも同じ模様だ。靴も赤く頭には白いヴェールを思わせる帽子があり肩まで布で完全に覆っている、。頭の縁のところは緑と赤、白のアラベスクも模様だ。
よく見ればクルタには向日葵や菫以外にも無花果や柘榴、唐辛子にだ。
蛇の模様も入っている、それにだった。
タハミーネは首筋と耳にそれぞれ金色のネックレスとイヤリングまでしている、先程まで付けていなかったものだ。
その妹の姿を見てだ、ラスルは言った。
「似合うな」
「そう?」
「別人みたいだよ、というかな」
そのネックレスとイヤリングを見ての言葉だ。
「首と耳どうしたんだ」
「お母さんから貰ったのよ」
「あれっ、そうなのか」
「それでお洒落したい時はね」
「今みたいにか」
「付けてるの」
「そうだったんだな」
ラスルもそう聞いて納得した。
「それで持って来てたのか」
「そうなの」
「だからか、しかしな」
「しかしって?」
「御前普段はその格好でお店とかにいたらどうだ?」
こぷ妹に提案するのだった。
「今のままの格好で
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