第二百二十八話 二つの策その十二
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「あの者を倒すわ」
「御前のお力を全て使われ」
「そうして」
「いや、わしの力に加えてじゃ」
ここで老人は周りにこうも言ったのだった。
「御主達全ての力を使いたい」
「我等のですか」
「十二、いえ十一家の力を全て使って」
「そうしてですか」
「ことを進めていかれますか」
「神武帝の頃より我等は何故負け続けてきたのか」
老人の声はこのことから言うのだった。
「それは何故じゃ」
「それは」
「そう言われますと」
「確かに常に総力を挙げて向かった、しかし一つに力を集めていたか」
「相手のですか」
「そこに」
「常に多くの敵と戦い倒すことを考えておった、しかし常に大将首を集中して攻めてはおらなかった」
老人の声は強い声で言っていた。
「それがしくじりの元だった、だからじゃ」
「それで、ですか」
「ここは我等の力を全て使い」
「そして、ですか」
「ことを進めていきますか」
「そうじゃ、松永家はなくなった」
この家はというのだ。
「しかし残る十一の家はあるな」
「はい、我等はいます」
「あの者は信貴山で滅びましたが」
「我等は今もおります」
「ここに」
「そうじゃな、だからこの十一家全ての力を使い」
そうしてというのだ。
「ことを進めるぞ」
「わかりました、では」
「そうしてですな」
「織田信長を滅し」
「天下を闇で覆いましょう」
他の者達も話してだった、そのうえで。
彼等は闇の中でまた動こうとしていた、だが彼等は誰も気付いていなかった。彼等の中に焦りが生じていてそれが大きくなっていっているということに。
第二百二十八話 完
2015・5・20
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