八話:雌伏の時
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れる。
常に孤独であった人間とは違う。彼ならきっと―――
「―――正義の味方にはならないはずだ」
どれだけ絶望しても孤独故に理想以外に縋りつく物がなかった衛宮切嗣とは違って。
高町なのはの蒐集から夜が明けた早朝。
切嗣はある情報をリーゼ達から知らされて若干顔を引きつらせていた。
(司令部が海鳴市、しかも翠屋のすぐ傍だって? ……いくら何でもピンポイントすぎるだろう)
こちらが地球を拠点にしているということがばれるのは想定内だ。
司令部をその世界に置くというのもまあ、理解できる。
だが、こちらと同じ町に司令部を構えるなど想定外にも程がある。
まさか、もうこちらの居場所がばれたのかと戦慄したがどうもそうでもないらしい。
第一こちらの居場所を把握しているのなら先に偵察が来ているはずだ。
間違っても同じ町に司令部を置いて相手に自分達の行動を警戒させるはずがない。
リンディ・ハラオウンはそこまで愚かな人間ではない。
そうなれば、理由は一つだけだ。偶然同じ場所になってしまったということだ。
(だが、偶然にも理由はあるはずだ。翠屋のすぐ傍、つまり高町なのはの傍。……保護するためか。やはり始末しておくべきだったか?)
こんなことになるのなら自分もあの場に行って騎士達が去った後に始末しておけばよかったと思うが全ては後の祭りだ。
よもや切嗣も娘のような少女を友達の傍に居させてあげたいという親心が働いた結果だと思いはしない。
しかし、この状況は中々に難しい状況だ。
何せ普通に歩いているだけで見つかる可能性が高いのだ。
蒐集の際に変身魔法でも使っていてくれていればまだ状況は違ったのだろうが非情に危うい。
しかし、だからといって場所を移すわけにもいかないのも事実。
(考えても仕方がないな。逆に言えば灯台下暗しだ。見つからない限りは相手もよもや同じ町に住んでいるとは思わないだろう。それにこちらからも仕掛けやすい)
相手はマンションの上の階に住むらしい。
邪魔なようなら下の階から爆破して始末してしまえばいい。
もっとも、こちらとしても高位の魔導士は餌としても戦力としても必要なので安易に死なれても困るのだが。
(取りあえず、今後はあまり表に出ずにあちらの偵察だな。リーゼ達が直接尋ねるのが一番簡単で怪しまれないんだが……そうなるとヴォルケンリッターの見張りが止まるか)
これからはヴォルケンリッター達は管理局を警戒してかなり離れた世界まで行くだろう。
二人ずつに分かれて行動するのならリーゼ達だけで監視はできるが四手に分かれられると難しい。はやての監視も続けなければならないが……。
「おとん。いつまで寝取るんや
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