正義なんて存在しない
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
じゃねぇか。結局、本当は何も信じてないから、そんなクソたわけた妄言を吐けるんだろうが。胸クソ悪ぃジジイ共が! 正しき神は、パトラ様のみ。罪人と語り合え? 折り合いを付けろ? バカバカしい! どんだけ脳みそイカレてんだっつーの! 死ね!」
やっぱり、最後は『死ね』になるんだなあ。
タグラハン大司教に目線を送れば。
彼は、仕方ないねと両肩を持ち上げて応えた。
「そう見えるんなら、それで構わないよ。見方を変えろなんて傲慢甚だしいことを言うつもりはない。でも君は今日、人間にとって明確な罪を犯した。それは反省しなさいね」
「は!? 何が罪ぃ……っつ」
「刃物なんか振り回してたら危ないでしょ? 殺人未遂は立派な罪だよ」
青年の両腕を強めに押さえて、その首に自分の左腕を回す。
このまま都市警団に引き渡して神殿へ帰ろう。
気持ち良い散歩が台無しだよ、もう。
「ああ、そうだ。君にもう一つ尋きたいんだけど」
「っんだよ!」
「サンドイッチの卵は堅焼き派? 半生派?」
わずかに目を見開いた青年は、体をブルブルと震わせ。
信じられないと顔に書いて。
「パンなんて、そんな頭にも体にも悪いモン食えるか!」
と、大声で叫んだ。
うーん……そうきたかあ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ