Fate/stay night
1133話
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家の中にも蟲は色々と存在していたが、それらの蟲にしても逃げる事が出来ずにスライムへと飲み込まれていった。
そうして、俺がスライムを召喚してから数分……たった数分で、この間桐の家は完全にスライムに覆い隠されていた。
今、外からこの家を見れば、恐らく屋根や壁が全て銀色に見えている事だろう。
一応神秘を漏らさないようにと、家そのものをスライムで覆い隠すにしても家を丸く覆って目立たせるのではなく、まるでスライムでコーティングするように家を覆っている。
この辺は一応聖杯戦争であるということに考慮したものだ。
そうして、家の中は全てがスライムで埋め尽くされ、外からは家の外壁が全てスライムでコーティングされ……全ての準備は整った。
「消えろ、蟲共!」
再び魔力をスライムへと流し……次の瞬間にはスライムの持つ能力である吸収が発動。
この間桐家そのものがスラムイムにより吸収され……数秒と保たずに間桐家という存在はこの冬木の地から消え去っていた。
もっとも、今の俺と凛はスライムの中にいるような状態だ。
つまり、周囲は一面銀色の壁であり、スライムを直接扱っている俺以外には外で何が起こっているのか分からない。
現に、凛も俺の方を見ながら何か聞きたそうにしている。
けど、俺が精神を集中してスライムを操作しているのが分かるのだろう。今は黙ってじっとしている。
それでも時々興味深そうに俺と凛を包み込む銀色の壁を見ているのは、やはり魔術師として気になるからか。
ともあれ……これで間桐の家に関しては問題なくなった。
「凛」
「何?」
「ここで少し驚かせてやろう」
「……は?」
突然何を言ってるんだといった視線を向けてくる凛だったが、俺はそれに構わず言葉を続ける。
「1、2の……3!」
その言葉と共に、俺は周囲を覆っている銀色の壁へと手を伸ばし、消えるように念じる。
すると次の瞬間、スライムはたった今までそこにあったのが嘘のように姿を消していた。
そして……スライムが消えた後に、俺と凛がいるのは穴の中。
当然だろう、俺達がいた蟲倉は地下にあったのだから。
一応移動するのが難しくないように周辺に緩やかな坂を作っておいたから、脱出するのは難しくないだろう。
だが最大の問題は……上を見上げたときに広がっているのは雲が浮かんでいる空だという事だ。
……これが夏とかなら、雲一つない青空とか、入道雲で覆われているとか表現出来たんだろうけど、今の冬木は冬な為に曇天とでも呼ぶべき寒々しい印象を与える雲が空を覆っている。
「なっ、なななな……アークエネミーッ、あんた一体何をしたのよ!?」
がーっとばかりに土の上でこっちに詰め寄ってくる凛に、小さく肩を竦めて口を開く。
「何
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