第六章〜知らぬ顔の〜
第二十八話
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ばいいのさ。
僕の知略がどの程度通用するのか、それを試したい。国を獲るとかそんなのは二の次だ」
ほほう、要は仕返しが出来ればそれでいいと。そこまで貪欲に何かがしたいってわけじゃないからと。
なるほど、この人は黙ってるだけでプライドが高い……いや、気高い人なんだ。
自分の身に受けた屈辱を晴らす機会を待っていただけで、決して屈したわけじゃないんだ。
……仕返しがしたいだけなら、付き合ってみてもいいかなぁ。それに、この人の実力は素直に見てみたいところだし。
もし厄介な敵になるようならば、奥州に連絡して早めに手を打ってもらえば良いわけだしさ。
「手伝いましょうか。その城攻め」
さらりとそんなことを言うと、竹中さんが酷く驚いた顔をする。
「女の君が?」
「今は手傷負ってこんな様ですけど、結構強いですよ。これでも」
あまり信じていない竹中さんに、申し訳ないとは思ったけれど軽く座っていられないくらいの重力を掛けてみる。
床に潰されるような形になった竹中さんは更に驚いて私を見ていた。
「私の婆娑羅はちょっと特殊で、重力を操る力があるんです。剣もそれなりに使えますよ?」
にやりと笑って力を解けば、竹中さんも身体を起こしてにやりと笑う。
これで十六人の一人に加わったなと確信した。
だって、竹中さんたら使えるって確信した表情見せるんだもん。
いやいや、彼は策士だから何処までが軍師としての本音か建前か分からないけれどね。
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