第六章〜知らぬ顔の〜
第二十八話
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れはともかく、この人妙に引っかかる物言いをするなぁ……。
「無事である可能性があるって言いたそうに聞こえますけど」
「まぁ、その可能性も否定は出来ないってことだよ。
何処にでもいる普通の軍勢なら、それだけの大連合軍だ。ひとたまりもないだろう。
が、相手は魔王、並の相手じゃない。
僕は現実的ではない事柄に関しては信じないのだがね、彼に関しては目に見えることだけで判断するには些か……」
織田信長、規格外の人間だと言いたそうだ。
恐れているのかと思えばそうでも無さそうで、逆に何処か好戦的な雰囲気を纏っているところを見れば、
女みたいな外見のこの人も実は根っからの武将なんじゃないかと思えてならない。
全く……男って奴はどうしてこうも戦いが好きなのかしら。
ま、男は狩りをして女は家を守る、という大昔からのあり方の名残って聞いたことがあるけど、その辺は良く分からないわ。
大学も心理学は単位取らなかったしね。
「ともかくここまでは被害が及ばないから、君は安心して休んでいるといいよ。
怪我が治ったら帰り道くらいは教えてあげるから」
「あはは……ありがとうございます、竹中さん」
私の礼に薄く微笑んだ竹中さんは、そのまま再び表へと出て行ってしまった。
私を助けてくれたこの男、名前を竹中半兵衛というらしい。
無双の半兵衛だとショタっぷりに磨きをかけた外見をしてたけど、こっちは何と言うか……美しいとしか言えない。
この人の為なら尽くしてもいいかも〜なんて思っちゃうけど、ちょろっとアニメを見たけどもさ、
結局この人の肺結核だか何だかの史実ネタは健在なんだよね。確か。
美人薄命って言うけどもさぁ、勿体無さすぎだよ。この人、爺さんになっても絶対美しく年老いていくって。
ビール腹の加齢臭がキツイおっさんにはならないと思う。てか、絶対ならない。私の希望も含めて。
まぁ、それはおいといても、一応BASARAも戦国時代をモチーフにしてるってわけだし、実際の歴史と繋がりがあるはず。
とすれば、今織田信長を攻めようとしてるってことは、この後豊臣秀吉が現れて天下を獲っちゃうって流れになるはず。
だって、豊臣の軍師になるわけだしさ。どうしてこんなところで引き篭もってるのか、私にはよく分からないけれど。
……いずれは敵になっちゃうのかぁ。そう考えると何だか複雑。
出来れば今のうちにこちらに取り込んでおきたい、そんな気にもなるけれども。
そうは言ってもそんなことを本人にわざわざ知らせる必要もないので、私は何食わぬ顔をして世話を受けている。
怪我を治したらさっさとお礼を述べて御暇するに限る。ここで変に秀吉が登場しても困るわけだし。
秀吉が三顧の礼をもって竹中さんを受け
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