第一話 まさかの入り
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が出す言い訳の言葉を封じ込めた。更にその目は俺の逃げる力を少し弱める。その力の弱まったスキをついて菊岡は力を強めて強引に俺をに席に戻す。もうこうなったら仕方が無いので、俺はその苦渋の選択を受け入れることにした。
「はぁ・・・。分かったよ、やらせてもらいます」
「分かってくれて何よりだ」
そういって菊岡は席から素早く立って、鞄を持ってレジに足を向ける。話をここで切り上げて俺のキャンセルを不可にさせようとしているのだ。俺はもうすると決めたと思っているのだが、どんな話で心変わりするかも分からないからの選択だろう
「前金代わりだ。ここの会計は僕がしておくよ」
「・・・はぁ。付くづくアンタは憎めない奴だな」
「そりゃ、どうも」
言葉通りに彼はレジで会計を精算している。俺は残ったダージリンを軽く口に含む。
肩の脱力感、何回会っても掴めないその姿に目を向ける。
菊岡誠二郎、総務省総合通信基盤局高度通信網振興課第二分室 通信ネットワーク内仮想空間管理課:通称「仮想課」の職員である。普通に考えるとただの職員ではあるのだが、彼からは職員ではあり得ない程の並々ならぬオーラが発されている。何か裏でやっているのだろうか。
それをネタにしてちょっと話してみようかと決めて席をたった。
「キリトくん別のゲームにコンバートするんだって!?・・・そのゲームの調査するだけなんでしょ?別に調査するだけなら別キャラ作ればいいんじゃないの?」
アルヴヘイム・オンライン、通称"ALO"
そのALOにログインして間もなくアスナにそんなことを言われた。何でこの情報がアスナに・・・?あぁエギルかあいつには物置の為に情報を公開したもんなぁ。今度お前の店にひやかしに行ってやろう。ついでにSAO時代の格好いい黒歴史を触れ回ってやるとしよう。やっぱ持つべき物は友達だな!
「いやーその調査対象の奴がさ、強いプレイヤーしか狙わないらしいんだ。・・・まぁ、俺ぐらいなんかの奴にノコノコ出てくれるかは不安で仕方ないんだけどな」
「そんなことないよ!キリトくんは強いもん!」
「そりゃあ女の子の前で無様な姿は見せられないし、頑張るしか無い。いつもかなりギリギリだけどな」
はははと微笑むようにアスナに返す。彼女はそのウィンディーネ特有の蒼い髪を揺らめかせながら、少し怒ったような表情になる。プクーと頬を膨らませ、こちらの顔を見てくるのでこちらもアスナの顔をジーっと見つめ返す。
結局アスナの方が根負けして顔を真っ赤にしながら顔を背ける。とは言う俺もかなり顔が熱いのだが。
「キリトくんズルい・・・」
「ズルくたって結構!アスナの可愛い顔見れたら問題なしっ!」
耳まで赤くなっている彼女から視線を外し、風景を見やる。燦々と輝く
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