第164話 復讐の顛末 後編1
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らは悲鳴と絶望の叫びをあげるが、正宗達は情け容赦なく突進していき敵を無理矢理に押し除け突き進んでいった。
正宗達の攻撃はそれで終わりで無かった。彼らは敵の集団から離脱すると、体勢を整え再度の突撃を敢行しようとした。だが、敵の兵士達は慌てた様子ながら正宗達の突撃に対応しようと右往左往する。
「振雷・零式――!」
正宗が双天戟の矛先を敵に向け怒声を上げると暗闇を引き裂くような凄まじい輝きの奔流が敵に襲いかかった。雑兵は為す術もなく、光に飲み込まれ絶命していく。光に辛うじて飲まれなかった者もいたが身体の一部を吹き飛ばされ、痛みに絶叫を上げていた。まさに阿鼻叫喚の地獄絵図。敵の兵士達は正宗達の二度目の襲来で完全に戦意を削がれていた。泣き叫ぶ者。剣を投げ捨てて逃げ出す者。それを止める者はいなかった。正宗達はその中を追い打ちとばかりに怒濤の突撃を行い進行上の敵兵を踏みつぶしていった。正宗達は朱里達に合流するために敵から離脱しようと馬を走らせた。
正宗達が敵を散々蹂躙し元来た道を進もうと馬の速度を落とした時である。後方から迫る気配を正宗は感じた。彼は馬の進む方向を調整すると、転回して迫る気配に向かって馬を走らせた。遅れて他の兵士達も彼を追った。
「ちっ!」
正宗は舌打ちし襲いかかってきた者の攻撃を双天戟で受け止めた。凄い衝撃だった。目の前にあるのは異様な大きさの鉄の塊の形状をした鈍器だった。正宗は一撃を軽々と受け止めると攻撃を弾いた。すると正宗に攻撃をしかけてきた者は後ろに飛び正宗と距離を取った。
「お前は!?」
正宗は自分を攻撃してきた相手を見て驚いていた。何故なら彼女は恋姫の魏延だったからだ。正宗は一瞬表情を引きつらせた。蔡瑁の尖兵に真逆魏延がいるとは正宗も思っていなかったのだろう。
「私は魏文長だ! お前の名を教えろ!」
魏延は鈍器を正宗に向けて威嚇するように構えた。正宗の兵士達は魏延の周囲を囲むように展開した。既に魏延と共に行動していた兵士達は逃げだし孤立無援の状態だった。しかし、魏延は正宗に対して怯む様子を見せなかった。
「余の名は劉正礼である」
「お前が車騎将軍……」
魏延は正宗のことを凝視した。
「この私と一騎打ちをしろ!」
魏延は突然正宗に決闘を申し出た。その表情は真剣だった。
「分を弁えろ! お前のような薄汚い傭兵如きが清河王に一騎打ちを所望するとは何たる恥知らず」
兵士の一人が場所より魏延に罵声を浴びせた。すると正宗は手で兵士を静止した。
「魏文長、私と一騎打ちを所望するか。いいだろう。だが条件がある」
「条件?」
魏延は正宗と兵士達を警戒するように視線を動かしながら言った。
「この私が勝ったらお前は私に仕官しろ
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