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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第164話 復讐の顛末 後編1
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末なものだ」

 正宗は敵の全容について淡々と口にした。

「清河王、何か気になることがあるのでしょうか?」

 孫観が正宗の口振りが気になったのか質問した。

「陽動ということでしょうか?」

 呉敦が正宗に言った。

「その可能姓が高い。一人気になる者がいるが、それ以外は頭数を揃えたに過ぎない感じがする。仮に陽動でなくても本隊が乱戦状態に陥れば、それを横から突撃すれば兵の質は問わないだろうがな」

 正宗は意味深なことを言った。

「本隊が危ないということでしょうか?」

 孫観が正宗に言った。正宗は頷いた。

「孫仲台と呉黯奴。命令を出す」

 孫観と呉敦は正宗に拱手した。

「お前達二人は騎兵五百を率い、諸葛清河国相の元に急いで戻り別働隊のことを伝え、以後は彼女の指示に従え」
「ですが、敵は六千。私達が騎兵一千を率い離脱した場合、兵力的にきついかと」
「相手は雑兵。それに向こうは余がここで待ち構えていることを知らない。奇襲をしかけ叩き潰す。心配せずに離脱しろ。余達は敵を壊滅させた後に合流する」

 正宗は心配する孫観に力強く言った。

礼美(れいみ)、私達は役目を仰せつかったんだよ。清河王の命に服すのが家臣の役目でしょ」

 呉敦は迷う孫観に言った。孫観は考えた末に正宗に拱手した。

「清河王、謹んでご命令に従います。ご武運を!」
「清河王、敵の本隊があれば、この呉黯奴が蹴散らしてご覧にいれます」

 孫観と呉敦は正宗に馬上で頭を下げ拱手すると騎兵五百をそれぞれ率い来た道を去って行った。正宗は夜空を見上げた。

「行幸だ。天は私に味方しているようだ。皆見て見ろ雲が晴れていく。敵を蹴散らすぞ!」

 正宗は兵士達に向き直り双天檄を高く掲げ、兵士達を鼓舞した。彼の檄に呼応するように、兵士達は各の槍を空に向けて力強く掲げた。正宗と兵士達は迫る敵に向けて突撃を行うため、馬を疾走させた。騎兵四千が正宗に従い整然と馬を駆けさせる。その様子は一陣の風。天上の月から見える彼らの姿は蜂矢の陣を形成しどう猛な蜂の集団のように走り続けた。



「皆の者! 後、二市里(一キロメートル)程で敵に遭遇する。決して止まるな。一気に敵を食い破るぞ。その後は走り抜け、体勢を整えもう一度突撃を仕掛け敵の兵士達の戦意を完全に削ぐ。敵は統率の取れていない雑兵の群れ、それで戦意を喪失し逃げ出すはずだ」

 正宗は馬を疾走しながら大声で兵士達に命令を下した。兵士達は更に馬の速度を加速させる。正宗達はそう時間が掛からず、敵の集団に遭遇した。敵は正宗達の怒濤の突撃を予想できなかったためか、抵抗すらできず騎馬四千による蹂躙を受けた。馬に踏みつぶされる者、槍に刺される者、馬の突撃を受け吹き飛ばされる者。彼
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