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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第164話 復讐の顛末 後編1
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のでしょうか?」
「神仙の域のような気がして何とも言えません」

 孫観と呉敦は思い思いに自らの考えを口にした。

「その反応が普通だな。いいだろう。お前達の相手をしてやる」

 正宗は二人に言うと目を瞑り騎乗したまま双天檄を構えた。

「二人ともかかってこい。目を瞑ったまま相手をしてやる」
「もし、敵が迫っているならば、このようなことを為さっている場合ではないかと」
「目を瞑って私達を相手にするなんて私達を馬鹿になさっていますか?」

 孫観は周囲を警戒するように視線を向け、呉敦は正宗の物言いに不満な様子だった。

「馬鹿になどしていない。お前達は余の言葉が信用ならんのだろ? 戦場において上官への不信は作戦の成功に関わってくる。だから解消せねばならない。手っ取り早い方法でお前達に理解させるにはこれが一番いいと思っただけだ。遠慮はいらん。かかってこい」
「分かりました。ご無礼と存じますが胸を借りさせていただきます」
「後で文句を言うのは無しにしてください」

 孫観と呉敦は正宗の提案を了承すると一言口にするなり正宗に襲いかかった。正宗は二人の激しい突きを軽々と避けきった。それも目を瞑ってである。為す術もなく全ての突きを避けられた二人は正宗のことを驚愕している様子だった。

「何で!?」

 孫観が驚きの言葉を口にした。この視界の悪い中で正宗は目を瞑り、孫観と呉敦の攻撃をあっさりと受け流した。それも馬を移動することなく、その場に留まり槍の突きを全て避けきった。呉敦は正宗のことを興味深そうに見ていた。

「これで私が人の放つ気を感じ取れると信じられなくても只者でないことは理解できただろう」

 正宗は驚く孫観と呉敦に言うと目を開けた。

「いいんじゃないでしょうか」

 呉敦は正宗を面白そうに笑みを浮かべて見ていた。しかし、先ほどまでと違い正宗に強い敬意を抱いている様子が感じられた。孫観は呉敦に視線を向け考える様子をしていたが正宗に顔を向け強く頷いた。

「私は気をよく理解出来ませんが清河王の武才をお信じいたします」

 孫観は正宗に言った。

「それで十分だ。余を信じ余の命に従い戦え」

 正宗は神妙な雰囲気で孫観と呉敦を順に見た。二人は正宗に対して頭を下げ拱手した。それを満足そうに見ると、正宗は視線を北の方角に向けた後、兵士達に視線を向けた。彼は兵士達一人一人の顔を見るように視線を流した。

「もうそろそろだな。皆、心して聞け」

 正宗は徐に口を開いた。

「今、こちらに向かってくる兵達は統率の取れていない雑兵とみて間違いない。その数は六千といったところだろうか。ただ、一人だけ並外れた気の持ち主がいる。部将並の力はあるようだな。しかし、兵の質を考えれば夜襲とはいえお粗
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