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英雄は誰がために立つ
Life18 騎士王の末裔、正当後継者VS受肉ある英霊、叛逆の騎士
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、アーサーは聖王剣を明後日の方向に突き刺すと空間に裂け目が生じてその空間に刀身だけが吸い込まれるように消えた。
 その行動の観察の結果、最低限に僅かに身を反らす事でモードの真横から現れた聖王剣の刀身による突きを躱した。
 しかしモードは躱すだけでは無く、その刀身の平の部分を掴みながらあらん限りの腕力で引く。

 「くっ!?」

 幾ら騎士王の末裔の正当後継者であろうと、受肉した英霊の腕力に叶う事は無く、アーサーは無常にもそのまま自分事引かれてしまう。
 そして当然の結末のように引かれたアーサーは、モードによる攻撃――――鳩尾にまたも腕力のモノを言わせた肘打ちを浴びせて打った。

 「ごはっ!!」

 アーサーはその痛みにより地面を転がったが、その時の衝撃と意地でも武器だけは手放さないと言う剣士としての本能にから起こした奇跡により、聖王剣と共にモードから離れることが出来た。
 そこから瞬時に立て直しを図るためにモードから距離を取った。
 此処まで、刹那の剣戟が始まってからまだ10秒間の経過していなかったが、その短時間内の斬り合いでも判る事があった。
 自分が今対峙している剣士の技は自分と同じ流派であると。
 別にあり得ないとは言わない。騎士王の末裔以外にも自分たちの剣技は伝わっているのだから。
 だがそれでも自分たちの末裔以外の者が、自分達以上の剣技を習得していると言うのは如何考えても異常であると。
 そうして考えながらも距離を取り終えたアーサーは、モードを睨み見る。
 
 「・・・・・・・・・・・・これは何の真似です?何故隙を突かないで、斬りに来なかったのですか?」

 考えれば考えるほど疑問は湧いて来るし聞きたいところだが、敵の自分の疑問に答えを返してもらえるとは思えない。
 それに今は、先ほどの空間の裂け目から無理矢理引きずり出された結果、斬られるのではなく肘打ちを加えられた事、それにこうして離れるまで地べたを這いずり回っていた時のも大きな隙があった。
 それにも拘らず、敵の魔剣士は隙を突かなかったことの疑問がアーサーの頭の中で優先事項とされていた。
 そんなアーサーの考えなど疑問に、兜の中の両目が嗤った。

 「剣を使わないで肘打ち、それに隙を敢えて見逃す。こうした方がお前位の剣士としては屈辱的だろう?騎士王の末裔、アーサー・ペンドラゴンさんよぉ・・・!」
 「・・・・・・・・・」

 如何やらアーサーの機嫌を逆撫でにするのが目的だったようだ。
 それに上から目線のやり返しと言った所でもあるのだろう。
 好戦的なモードらしいと言えばモードらしい。
 事実、表情は依然として冷静なままではあるが瞳の奥の感情は凍り付き、腸は煮えくり返っていた。
 モードの狙い通り、相応の剣士の誇りを傷つけられ
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