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英雄は誰がために立つ
Life18 騎士王の末裔、正当後継者VS受肉ある英霊、叛逆の騎士
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も言えない顔をする。
 言いたい事を言い終えたアーサーは、黒歌と美猴に視線を送る。

 「では2人とも、逃げ帰りましょう――――」
 「おいおい、此処まで荒らしといて今更逃げる気かよ?」

 それを、モードが引き留める。

 「・・・・・・これぐらいで手打ちにした方が、お互いに良いと思ったまでですが?」
 「逃げ帰ると発言してた割りには、随分と上から目線だな?――――オレは此処に来るまでで、アイツらの会話は耳に入ってたんだぜ?それを何の御咎めなしで逃げようなんて虫のいい話じゃねぇのか・・・」
 「お前さん、赤龍帝たちに嫌われているようだったのに、なんでそんなに庇護するんだよい?」

 美猴は、当然の質問をモードにぶつける。
 だがモードはそれが如何した?と、切り返す。

 「オレがアイツらに嫌われていようと、そんな事は如何だっていいんだよ!お前たちは自分たちの欲望を押し通そうとしたと言う事で民草に遠慮なしに手出しをした。お前らに誅罰を与える理由にはその程度で十分だ・・・!」
 『・・・・・・・・・・・・』

 自分がどれだけ嫌ってい様とも、守るべき対象に手を出す奴には報復すると言う揺らがないモードの思想に、ゼノヴィアの件で嫌悪感を露わにしていた一誠達は驚きと戸惑いに満たされていた。

 「なるほど、では力づくと言う事でよろしいのですっ!?」

 モードの答えを返そうと尋ねようとしたところで、アーサーは反射的にその場を瞬時に離れる事で、瞬動で目の前に来ていたモードの斬撃を躱す。

 「ほぉ?あれを躱すか。やるじゃねぇか?」
 「まだまだ見る目が無かった様ですね。これ程の剣の使い手の情報を見逃していたとは・・・」

 アーサーは、モードの不意打ちを責めることなく、自分の視野の狭さを糾弾した。
 モードは躱したとは言ったが、完全に躱しきれてはいなかった。
 その証拠に、彼の右頬に僅かに切れ傷が出来ていて、血が地味に溢れ出ていた。

 「一々上から目線じゃねぇか、よっ!」
 「気に入らないのでしたら、圧倒してみてください・・・!」

 2りの剣戟は悪魔の視力をもってしても僅かな軌跡と残像しか見えないほどの速度による切り結び合いだった。
 少なくともリアスに一誠、そして小猫にはその様にしか見えていなかった。
 剣と剣がぶつかり合うたびに、激しく唸る金属音が鳴り響いて来る。
 本人らは斬る上げから斬り下ろし、突き、払いと眼前の敵の命を容易く刈り取れるような剣戟を繰り広げている。
 しかもすべての斬撃に付加効果でも混じっているのかの様に、2人の周りの地面は斬撃に斬り抉られた跡が既に数重もの痕跡を作っており、大気にいたっては延々と悲鳴を上げ続けていた。
 そうした斬り合いから互いに身を離すと同時に
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