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どうやら俺は主人公を殺したらしい
六話、どうやら俺は、…………何なんですかね?
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る。

「漸く自覚したようだな。……だがまあ、自覚する以前の問題だがな」
「………いや、ゼノヴィアさんの言い方が回りくどいというか」
「なら、分かれ」
「は、はあ…………ん? てか、さっきの言葉を直訳すると、俺のこと心配してくれてるんすか?」
「は?」

 うん、その“こいつ何言ってんだ?”なんて、嘘偽りのない純粋無垢な顔をされると、俺いっそ清々しいですわー。若干泣きそうになっている俺をよそに、ゼノヴィアそんは、続けた。

「確かに、死んでしまったら、元も子もない。だが、我々の主のためならやむ終えないことだ。例え、お前であっても、私だとしても、イリナにしてもだ」

 そうだ。ゼノヴィアだけではなく、こいつらのような輩は、簡単に“死んでもいい”なんて言う。
 その言葉の後に付け加えられるのは、いつも、我々の主のために………と。つまり、神様だ。
 それは、彼ら彼女らにとって、ある意味自分たちの生きる糧なのだろう。そういう風に小さい頃から教育されたのているから。

 原作では、ゼノヴィアとイリナは、死ぬということを分かっていて、堕天使幹部クラスに立ち向かうことを、決意し、挑んだ。そして、当然の如く、自滅した。
 俺だったら、しっぽ巻いて逃げるだろう。ただし、今俺が持っている転生特典を持っていなかったらの話だ。
 俺から聖剣取ったら、何も残らないしね。逆にあれば、最強に近いにクラスにのし上がることも可能である。

 まあ、ね。俺はそんなことよりも凄い気になることある。それは……

「みんなはどうした??」
「は?」

 俺の心の叫びに、一言で済ます。

「いや、ゼノヴィアさんが、ここにいるのは、俺を見送るためだよね?」

 俺たちの周りには、誰一人もおらず、俺ら二人だけ。

「ああ、そうだが。……それがどうした?」
「なら、みんなはどうしたの。イリナさんとか、教会のみんなとか」
「何を言うのかと思ったら、そのことか。安心しろ、お前の言うみんなは、寝ている」
「……え、えー」

 安心できる要素皆無です。
 こういうのは、みんなで見送るものじゃないのかね。
 いや、こんなこと言うのって、俺図々しいのだろうか。いやいや、一応、命のやり取りをする訳で。
 それでも来ないというか、何かしらメッセージすらないということは、………もしかして、俺本当に一人ボッチ?

『我がいるゾ! 勇者!』
「よし、サッサと行こう、ゼノヴィアさん」
「ああ、早く行かないと、予定の時間にも間に合わないしな。……だが、いきなりだな」
「なんでもないすよ」
『オイ! 勇者! 聞こえてるであろう?? 無視するな、せめてうんとかスンと言って??』
「スンッ」
『……………』

 おし黙る聖剣。てか起きてんたん
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