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どうやら俺は主人公を殺したらしい
六話、どうやら俺は、…………何なんですかね?
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何だけどさ、こう言う正式名称ってすごい大変だよね。

 だって、戦闘に入る時、いちいち長ったらしいその正式名称というやつを、言うんだぜ。
 俺の場合、聖剣って略すか、それか何も言わずに、go-goだし。てか、聖剣と言わなくても、別に、戦闘には、害があるわけじゃい訳で、

 だけど、まあ俺以外、無論、仲間、敵関係なくに、几帳面なのか分からないけど、長ったらしい名前を言うのだ。敵を前にしてだ。
 しかも、しかもだ。その能力の詳細ご丁寧に説明しちゃってくれて。そんな余裕があれば、別にいいんですけどね。

 でも、あれ何なのさ。自分の能力自慢したいの? だからあんなドヤ顔してるんすか。
 お前らそんな悠長に、ペラペラ喋ってんの。普通に戦えよ。
 てか隙があり過ぎて、切りたくなるよね。……いや、切ってますけども。

 俺は、聖剣の言葉に、こくりと適当に頷く。聖剣は、あまり納得とはいかないけど、どうやら妥協したのだろう。そこから先は、喋ることはなかった。

 大人しくなった聖剣を横目に、ポケットから、ゼリーを取り出す。
 ………なんかゼリーという単語出すと、緊張感がなくなる。
 そう思いながら、“ザ・科学” 的な、プラスチック製の容器に入ったゼリーを、自前のストローで飲み込んだ。

『うえぇぇぇん! ゼノウィア、私っ、また負けたよぉぉぉぉぉおおお??』
「うおっ……」

 教会の外だというのに、この音響大にして聞こえるこの声。
 この声の主くらいは特定できる。
 恐らく、ではなく、確実にあの人だ。

 いつものように、教会を覆っている白い壁のコンクリートに、耳を、そっと当てる。

『また、デクタに負けたのか? イリナ』
『そうっ、そうなのよ! またデクタ君に負けたの!……ううっ私、彼の先輩なのにぃ〜』

 喋ったのは、左から順に、ゼノヴィア、そしてイリナ。
 ちなみに、紫藤イリナの言う、負けた、というのは、今日やった“聖剣をかけた模擬戦”の話である。
 察しがつくように、もちろん俺の圧勝ッス。何か文句でも?

『まあ、今は落ち着け。みんなが迷惑がっているぞ』

 そう諭すゼノヴィア。対してイリナ自身は、納得しきれないのか、一時は、抵抗はしたけれど、

『……でも………うん、わかった。………でも、食べ終わったら、ちゃんと私の話を聞いてよね、ゼノヴィア』

 最終的には、こう言ってだいだいは、収集がつく。

 うん、まあ、それだけ。別に、俺がいないところで、悪口言われるか心配だったから、盗み聞きしたわけじゃないんだからね!

 として、俺は、コンクリートから耳を離し、自分の寮へと向かうことにした。








 結局、原作介入となる当日になった。なってしまった。うん
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