六話、どうやら俺は、…………何なんですかね?
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
何だけどさ、こう言う正式名称ってすごい大変だよね。
だって、戦闘に入る時、いちいち長ったらしいその正式名称というやつを、言うんだぜ。
俺の場合、聖剣って略すか、それか何も言わずに、go-goだし。てか、聖剣と言わなくても、別に、戦闘には、害があるわけじゃい訳で、
だけど、まあ俺以外、無論、仲間、敵関係なくに、几帳面なのか分からないけど、長ったらしい名前を言うのだ。敵を前にしてだ。
しかも、しかもだ。その能力の詳細ご丁寧に説明しちゃってくれて。そんな余裕があれば、別にいいんですけどね。
でも、あれ何なのさ。自分の能力自慢したいの? だからあんなドヤ顔してるんすか。
お前らそんな悠長に、ペラペラ喋ってんの。普通に戦えよ。
てか隙があり過ぎて、切りたくなるよね。……いや、切ってますけども。
俺は、聖剣の言葉に、こくりと適当に頷く。聖剣は、あまり納得とはいかないけど、どうやら妥協したのだろう。そこから先は、喋ることはなかった。
大人しくなった聖剣を横目に、ポケットから、ゼリーを取り出す。
………なんかゼリーという単語出すと、緊張感がなくなる。
そう思いながら、“ザ・科学” 的な、プラスチック製の容器に入ったゼリーを、自前のストローで飲み込んだ。
『うえぇぇぇん! ゼノウィア、私っ、また負けたよぉぉぉぉぉおおお??』
「うおっ……」
教会の外だというのに、この音響大にして聞こえるこの声。
この声の主くらいは特定できる。
恐らく、ではなく、確実にあの人だ。
いつものように、教会を覆っている白い壁のコンクリートに、耳を、そっと当てる。
『また、デクタに負けたのか? イリナ』
『そうっ、そうなのよ! またデクタ君に負けたの!……ううっ私、彼の先輩なのにぃ〜』
喋ったのは、左から順に、ゼノヴィア、そしてイリナ。
ちなみに、紫藤イリナの言う、負けた、というのは、今日やった“聖剣をかけた模擬戦”の話である。
察しがつくように、もちろん俺の圧勝ッス。何か文句でも?
『まあ、今は落ち着け。みんなが迷惑がっているぞ』
そう諭すゼノヴィア。対してイリナ自身は、納得しきれないのか、一時は、抵抗はしたけれど、
『……でも………うん、わかった。………でも、食べ終わったら、ちゃんと私の話を聞いてよね、ゼノヴィア』
最終的には、こう言ってだいだいは、収集がつく。
うん、まあ、それだけ。別に、俺がいないところで、悪口言われるか心配だったから、盗み聞きしたわけじゃないんだからね!
として、俺は、コンクリートから耳を離し、自分の寮へと向かうことにした。
結局、原作介入となる当日になった。なってしまった。うん
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ