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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―『帰る』べき場所―
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っている可能性も否定できないが。幸いにも同級生に会うことはなく、俺はアカデミアのある場所にたどり着いていた。

「…………」

 アカデミアの森の中。そのある一角にある小さい池――俺が趣味の釣りをしている時に、よく利用していた場所だった。一年生の時からここには何度も訪れ、デッキの構築や様々なことを行っていた――明日香や三沢と、夜中にデュエルしたりと。

 足が勝手に導いた思い出の場所。釣りの為の道具など持って来てはいないが、今や懐かしいその場所に座り込もうとすると――池の前から、デュエルをしているような二人の男女の声が聞こえてきた。もちろん自分専用の場所という訳ではないため、誰がいようと不思議ではないのだが……不思議と、どちらも見知った声であった。

 誰がデュエルしているのか気になった俺は、木の陰からこっそりとその様子を窺っていた。オベリスク・ブルーとラー・イエローの下級生で、そのうち青い服を着たオベリスク・ブルーの方は女子生徒。

「いくよ! ボクの先攻!」

 ――早乙女レイ。小さい時から自分を慕ってくれている、妹分の姿がそこにあった。砂の異世界でユベルに傷を負わされて寝込んでいて、彼女を三沢に託して俺は違う異世界に飛ばされてしまっていたので、その無事はずっと気がかりだったが――異世界に行って《超融合》の生け贄となったと聞いていたものの、変わらない元気な姿を見せてくれていた。

「……よし」

 レイに対するラー・イエローの男子生徒は、同じく後輩である加納マルタン。砂の異世界でユベルに取り憑かれていたが、どうやらあちらも無事らしい。むしろ異世界に行く前より、若干成長したように感じられる。

 ちょうどデュエルが始まったばかりらしく、俺はそのまま木の陰から二人の後輩のデュエルを見ることにした。特にそうする理由はなかったが、どうしてもそうしなければいけないような――そんな気がしていた。

レイLP4000
マルタンLP4000

 レイの先攻一ターン目。鮫島校長が語っていた、ミスターTの来襲によるエクシーズ召喚などのルール改訂の影響か、この世界でも先攻のドローは出来なくなったらしく、レイの初期手札は五枚。

「ボクは《トリオンの蟲惑魔》を召喚!」

 レイが召喚したのは俺が知る恋する乙女やミスティックシリーズのカードではなく、新たなカテゴリーである蟲惑魔と呼ばれるモンスター。少女と植物が合体したようなそのモンスターに、レイも自分が知らないところで成長しているのだと感じさせた。

「《トリオンの蟲惑魔》は召喚した時、デッキから落とし穴と名の付いたカードを手札に加えるよ! カードを一枚セットして、ターンエンド!」

 《トリオンの蟲惑魔》の効果は落とし穴をサーチする効果だと聞いて、レイは確かに魔
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