―『帰る』べき場所―
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ピット・キス》による矢が炸裂するが、結果は先のターンと同じ。《サーマル・ジェネクス》にはその攻撃を通じず、《恋する乙女》はその効果により戦闘では破壊されない。結果的には、レイが戦闘ダメージを受けたのみ……だが、それが重要なことだ。
レイLP1300→1100
「装備魔法《キューピット・キス》の効果発動! 乙女カウンターが乗ったモンスターと戦闘した時、ダメージステップ終了後にそのモンスターのコントロールを奪うよ!」
これこそがレイの《恋する乙女》コンボの本領。乙女カウンターが乗ったモンスターが《キューピット・キス》を装備したモンスターに攻撃された時、そのコントロールはレイへと移る。よって、コントロールを奪った相手モンスターの攻撃力を得る装備魔法《ハッピー・マリッジ》により、さらに《恋する乙女》の攻撃力がさらにアップするが……その必要はないだろう。
「いくよ! 二体のジェネクスでマルっちにダイレクトアタック!」
「うわぁぁぁぁ!」
マルタンLP2000→0
《サーマル・ジェネクス》がコントロール奪取されたことによりマルタンのフィールドは空き、ジェネクスモンスターたちのダイレクトアタックが直撃。そのままライフポイントを削りきり、デュエルはレイの勝利によって終了する。
「えへへ、今回はボクの勝ちだね、マルっち!」
「負けちゃったかぁ……」
倒れたマルタンをレイが助け起こしながら、あそこが良かった――など、デュエルの流れを話しだす。そこには、今まで俺たちが異世界でやっていたような、命を賭けたデュエルではなく。勝っても負けても得るものがある、このアカデミアでの本来のデュエルの姿。
「……レイ! マルタン!」
木の陰に隠れるのを止めて、そんな二人の名を呼びかける。突如として話しかけられた二人は、驚きながら俺の方を向いた後、半ば信じられないのような物を見るような目をしながら――俺の腕の中に温かいものが飛び込んできた。
「……遊矢様!」
飛びついてきたレイを捕まえながら、泣き出してしまう彼女の頭を撫でる。いつもなら――いや、以前ならば様付けはやめろ、というところではあるが。……今回のところは止めておく。
「……遊矢先輩……その、すいません……」
マルタンも痛々しい顔をしながらこちらに近づいてくると、かつてユベルに取り憑かれていたことか、謝罪しながら頭を伏せる。ユベルに取り憑かれていたことの記憶が残っているのか、本当に申し訳なさそうな謝罪だった。
「それはお前のせいじゃない……そんなことより、二人とも強くなってたな」
「あ……今のデュエル、見てたの?」
徐々に泣き止んできたレイが、腕の中からこちらを上目づかいで覗いてくる。
「ああ、最初から
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