―『帰る』べき場所―
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舞い込みながら、そのまま俺と――ここにはいない十代への言葉を続けていく。
「いくらデュエルが強かろうと、いくら苛烈な経験をしていようと、君たちはまだ不安定な子供です。このアカデミアを卒業するまでは、君たちの戦いを見守る義務が私にはあります」
――本来ならば、生徒に戦わせることが心苦しいのですが……と、鮫島校長の言葉は続く。
「しかし君たちは、恐らく戦うことになるでしょう。その時、帰って来れる場所がこのアカデミアなのです……吹雪くん!」
俺たちへの鮫島校長の言葉が終わるとともに、鮫島校長は突如として吹雪さんの名前を呼ぶと、校長室の扉が開き吹雪さんが入室する。普段の楽しげな様子はどこにもなく、神妙な面もちである以上に、無事であることにホッとする。
「やあ。久々だね、遊矢くん……君に頼みがあって、待っていたんだ」
「頼み?」
そう語る吹雪さんの手には一枚のカード――《ダークネス》のカードが存在した。かつてセブンスターズとして戦わされていた際に使用していた、ダークネスの力を封じ込めたカード――そのカードについ身構える俺に対して、吹雪さんはその頼みについて静かに語り始める。
今この世界を侵略しようとしているのは、吹雪さんが使っていたダークネスと同種の力だということ。再びダークネスの力を解放すれば、敵のことが判明するかも知れないこと。解放した後にデュエルで自分を止める役割を、吹雪さんは俺に頼みたいこと――
「病み上がりの君にお願いするのも悪いけど、君がいいんだ。頼めるかな?」
「俺は……」
吹雪さんの申し出を受けて、俺は自然と自らのデッキである【機械戦士】を見た。ミスターTとの戦いから、全く力を感じない……何も響かない相棒たちを。
「俺は……」
「……いや、突然すまないね。そうだ、アカデミアも久々だろう。ちょっと見てくるといいよ」
俺が何か言おうとするよりも早く、吹雪さんはそう言ってこちらの肩に手を置いた。そのまま二の句もつかせぬうちに、俺を無理やり校長室の扉から廊下へと出すと、吹雪さんは校長室に残ったまま俺は廊下に放り出されてしまう。……何か言い返そうとも思ったが、こうして強引になった吹雪さんは何を言っても届くまい。
ひとまずその言葉に従って、アカデミアの中を散策することにする。かと言ってこの時間は授業中の為、活動範囲は限られているし、仲間たちにも会うことは出来まい――今はどちらにせよ、会わせる顔がないが――ならばどこに行くべきか……と、考えるより早く、俺はその場所へ歩を進めていた。
授業中だというにもかかわらず、アカデミアの中には少しばかりだが、自由に歓談する生徒の数が見受けられた。もちろんサボっている訳ではなく、この時間に授業がない生徒なのだろう……サボ
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