『境遇』
[8]前話 [2]次話
安心できる逃げ場は無かった。
家庭内に味方は1人も居ない。
血の繋がりが在っても無くても関係なかった。
学校でも味方は居なかった。
自我は強い。
それなりに虐められたりもした。
中学になると少しだけ変わった。
相変わらずの自我で周りとは巧くやれない。
いや、巧くやろうという概念すら無かった。
家庭内で起こる複雑な境遇によって変化が起きた。
『誰か気付いて』
『誰か助けて』
『誰か...』
そんな気持ちが大きくなった。
弱くなった。
気は強い方だったから、こんなに他人を欲した自分にビックリした。
校内に親友は出来た。
言ってしまいたいけど、なかなか言えなかった。
嫌われてしまうのが怖かった。
こんな風に思ったのは初めてだった。
でも、どうかこの子にだけは...
打ち明けた。
何も言わず肩を抱いてくれた。
凄く凄く温かかった。
学校に行けない日が続くと凄く心配してくれた。
『出来るだけ逃げて来い!!
いつでも電話しといで!!』
いつも励まされてた。
親友に打ち明けてからは学校が大好きになっていた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ