Fate/stay night
1132話
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ら聞こえてきたような……
念動力による敵の感知も、上手く出来ていない。
『誰、と言われてもな。間桐家の者と言うべきか。それを言うなら、何故遠坂の当主がわざわざこの間桐の家に入っておるのかな?』
「想像出来ないかしら? 間桐の家の者として」
『ほっほっほ。はてさて、何のことやら……じゃが、折角遠坂の当主がやって来たのじゃ。それもサーヴァントと共に。こうなれば、精一杯のもてなしはせねばならんじゃろうて。お主も、サーヴァントだけを寄越すのであれば、助かったじゃろうにのう』
ざわざわざわざわざわ、と。
どこからともなく聞こえてきた言葉に従うかのように、部屋中に蟲が姿を現す。
一面の……それこそ見える限り蟲以外何もない状態。
壁の全てが蟲で覆われている、と言えば分かりやすいだろうか。
厄介な。俺がこうして直接戦うのならどうとでもなるが、凛と一緒にこの蟲をどうにかするとなれば、非常に難しくなる。
広範囲攻撃の手段がない俺としては、蟲を1匹ずつ潰していくしかないんだが……
『では、遠坂の者よ。正直、其方の胎盤も魅力的なのじゃが、今はサーヴァントの方が重要じゃ。それに、そろそろ身体の方も考えねばならん。お主はそちらに使わせて貰うとしようかのう』
胎盤。その言葉が出た瞬間、凛の表情が引き攣る。
だがそれは、自分に対する怒りではなく……
「貴方、桜に何かしたのっ!?」
桜? 初めて聞く名前だが……話の流れから考えれば、凛の関係者か?
『さて、お主にそれを言う必要はないと思うが……では、さらばじゃ』
その言葉と共に、一気に蟲が襲い掛かる。
羽が刃のようになっている蟲、鋭い牙を持っている蟲、見るからに毒が滴っている針を持っている蟲。
それらの蟲が、この広いこの広大な地下室……それこそ、30畳、40畳はあろうかという場所に隙間なく存在していた状態から、一気に襲い掛かってくる。
「くそっ、凛、魔術を!」
「分かってるわ!」
その言葉と共に宝石が投げられ、次の瞬間には宝石から炎が生み出される。
こちらに襲い掛かろうとしていた蟲の多くを焼き尽くしたが、それでも焼け石に水以外のなにものでもない。
そんな炎を避けるようにして襲ってくる蟲を、俺は拳や足を使って仕留めていく。
だが、所詮は2本の手と2本の足。
攻撃出来回数は限られており、一撃で数匹の蟲を始末しても殆ど意味はない。
くそっ、やばいやばいやばい。
一旦脱出をするべきだろうが、ここまで密集されてしまってから凛を連れての脱出は、俺はともかく凛がただでは済まない。
そんな風に考えている間にも手足を無数に動かして無数の蟲を片付けていくが、向こうの蟲は全く減る様子がなく、次々と現れる。
凛も今は宝石を投
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