Fate/stay night
1132話
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「とにかく、どんな手段を使ったのかは分からないけど、慎二がマスターになっていたのは事実よ。そうなると、もしかしたら今の間桐は魔術回路を取り戻しているのかもしれない。どんな手段を使ったのかは分からないけど」
「なら……調べるって事でいいのか?」
「ええ。アークエネミー、もしかしたらライダーが襲ってくるかもしれない。いざという時は頼むわよ」
「分かってる。サーヴァントとして、マスターをどうにかするとは考えていないからな。その辺は心配するな。それに、ライダーならどうとでも対処は可能だし」
「それと……その、もしライダーが襲ってきたら、多分新しいマスターがいると思うんだけど、そのマスターからは今の間桐の情報を聞きたいと思うから、なるべく生かして捕らえてくれる?」
「今は聖杯戦争に勝ち抜くのが先決だと思うんだが。まぁ、魔術師として消滅した魔術回路を取り戻す方法ってのには興味があるんだろうけど……余裕があったらでいいな?」
「ええ、お願い」
少なくても、俺が聖杯から得た知識に消滅した魔術回路を復活させるやり方なんてのはなかった。
まぁ、元々聖杯から得られる知識は聖杯戦争に関係しているものだけだと考えれば、当然だろうけど。
「じゃあ行くぞ。俺の側を離れるなよ」
「ええ」
お互いに短く言葉を交わすと、そのまま土足で家の中へと上がっていく。
色々と行儀が悪いとは思うが、ここは既に相手の手の内だ。
だとすれば、何が起こっても間違いないんだから、いつでも対処可能にしておくのに越した事はない。
そのまま凛を後ろに庇いつつ、廊下を進む。
外から見たときも思ったけど、かなり広い家だな。
凛の屋敷程ではないにしろ。
「……人の気配はないな」
そう呟くも、俺の中にある念動力は未だにこの場所に対しての警鐘を止めてはいない。
何があるのかは分からないけど、確実に何かがある。
そんな確信にも似たものが、俺の中には存在していた。
「そうね。ライダーや魔術師に関しての手掛かりを調べてみましょう。何かあったらいいんだけど」
「今、この家の中には誰もいないけど、あのワカメの家族は?」
「……妹と父親、お爺さんがいた筈よ。けど、気配がないのは偶然かしら。あるいは罠の可能性もあるから、気をつけていきましょ」
「ああ」
人の気配がないのは事実だが、何だか得体のしれない不安感は未だに俺の中にある。
それが何なのか、分からないのが痛い。
「何かあるとしたら、書斎かしら。くれぐれも注意して行くわよ」
しつこいくらいに念を押してくる凛に頷き、家の中を調べていく。
何部屋か回ってみたが、特にこれといった怪しいものはない普通の部屋だ。
ワカメの部屋に、その妹らしき人物の部屋。
妹の部屋で
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