Fate/stay night
1132話
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そのまま歩き続け、やがて間桐家の敷地内へと足を1歩踏み入れる。
その際に凛はいつ何が起こっても対処が出来る様に神経を尖らせており、手には宝石が幾つか握られている。
それこそ、敵が襲ってきたらすぐにでも反撃出来るといった感じだ。
俺もまた、何かが起きたらすぐに反応出来るように周辺を警戒しながら、凛と共に間桐家の敷地へと踏み込んだのだが……特に何がある訳でもないままに玄関の前へと辿り着く。
「凛?」
「……おかしいわね。必ず何か反応があると思ってたんだけど。アークエネミー、警戒をよろしくね」
「分かっている。けど、どうするんだ?」
念動力を使って敵が現れたらすぐにでも反応できるようにしながら尋ねると、凛は小さく笑みを浮かべて口を開く。
「相手が出てこないのなら、こっちから直接出向くまでよ」
そう告げ、ドアへと手を伸ばす凛。
おい、本当に大丈夫か?
警戒しながら待ち構えるが、ドアが開けられても何が起こるわけでもなく静まっている。
「誰もいない……の?」
「だろうな。あるいは中で待ち構えているのか」
「どちらかと言えば、そっちの方が可能性が高そうね。……アークエネミー、一応気をつけておいて。間桐の魔術は水属性で、吸収や戒めを得意とするらしいわ」
「らしいわ?」
吸収という言葉に何か俺の中で感じるものがあったものの、今はそれを考えるよりも先にやるべき事があるとして話を進める。
「ええ。前にも言ったと思うけど、既に間桐は魔術師としては枯れている家なのよ。この情報も父さんの残してくれた書物からの情報よ。それで、間桐の魔術の特徴的面は蟲を操る事。だから、その辺には気をつけてね」
「気をつけてって言われてな。蟲にしろ、虫にしろ、どうやって気をつけろって言うんだよ」
ぶっちゃけ、格闘をメインの戦闘手段としている俺は、どちらかと言えば対個人の方に実力を発揮する。
凛が言っていたように、蟲といった数を主体にして攻めてくるような相手は苦手でしかない。
まぁ蟲は蟲でも、数じゃなくて巨大な蟲だったりすればどうとでもなるだろうけど。……触れるのは気色悪いが。
ともあれ、扉を開けて1分程経つが、未だに家の中から誰かが出てくる様子はない。
それどころか、罠が発動するとかそんな反応もない。
「どうする? このまま中に入るのか?」
「……どうしようかしら。正直、ここまで何の反応もないとは思わなかったわ」
「ワカメが死んだから、その対処で出掛けているんじゃないか?」
「その可能性はあると思うけど、だからと言って自分達の本拠地を手薄にする? それに、あの子も……」
珍しく言い淀むように呟く凛の様子に疑問を感じて視線を向けるが、戻ってきたのは何でもないと首を振る仕草だけ。
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