七話:誰が為の争い
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わにする。
シグナムが烈火の将と言われるゆえんこそがここにある。
「紫電一閃ッ!」
愚直に真っ直ぐに。しかし、その軌道からは逃れられない。
凄まじい勢いとエネルギーの籠った剣がフェイトに振り下ろされる。
咄嗟にバルディッシュで防ごうとするが、ベルカ式のアームドデバイスに強度で勝とうなど無謀なのだ。
少し耐えたところで無残にも二つに砕かれてしまう。
「くうっ!」
「はぁっ!」
武器を砕かれたことによる一瞬の思考の停止。
そこを逃すことなくシグナムは容赦なく己が剣を叩き込む。
ルビーのような目が大きく開かれその軌道を為すすべなく映す。
しかし、持ち主が動けずとも―――そのパートナーたるデバイスは動ける。
『Defensor.』
バルディッシュはすぐさま障壁を張り必倒の一撃を防ぐ。
だが、その威力は恐ろしく、完全に力を殺すことはできず本体に罅を入れられてしまう。
それに止まることなく隕石のようにビルの上に打ち落とされてしまう。
それでもバルディッシュの反応によりフェイトの傷に戦列から離れなければならないほどのものはない。
だが、ザフィーラの戦闘でそれが分からないアルフは一目散にフェイトの元へと向かう。
ザフィーラは敢えてそれを足止めせずに行かせる。
このまま責めればフェイトの蒐集も可能だろうが次に撤退のチャンスが訪れるとは限らない。
戦場で引き際を誤れば死あるのみということは十分理解している。
全員がフリーになっている今が撤退するには絶好の機会なのだ。
「ヴィータ、狙いのリンカーコアは奪えたのだな?」
「当たり前だ。それより、シグナム。本当にもう帰るのかよ。あいつもかなりの魔力持ってるから、かなりページを稼げるだろ」
「欲をかき過ぎると痛い目を見るぞ。何より目標を達したにもかかわらず無理をして怪我でもすれば我らが主も悲しむ」
「……分かってるよ」
はやての病気を治すために急いでページを集めるように急かすヴィータだが、その結果自分達が負わなくてもすんだ傷でも負えばはやてが悲しむと言われて冷静になる。
はやてと共に笑って過ごせる日常の為に戦っているのにはやてを悲しませるのはあまりにも本末転倒だ。
そう反省している所にシャマルから念話が入って来る。
(みんな、なるべく早く撤退しましょう。はやてちゃんが私達を心配してお父さんに迎えに行かせるかもしれないの)
(む、主はやてならともかくお父上だと結界に気づかれるな……。分かった、すぐに撤退する)
(じゃあ、一端散っていつもの場所でね)
シャマルからの連絡により完全に撤退の意思を固めるヴォルケンリッター達。
家族にも隠し通すためにこうした弊
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