七話:誰が為の争い
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わざわざこの世界で行ったのだ。
砂漠の中から一粒の砂金を見つけ出すような行動に出た意味。
それは魔力持ちがいるという確信があったからに他ならない。
この世界、もしくはこの近くの世界と関わりが深くなければ分からない。
だというのに来たのは普段から近隣の世界を行き来していると考えられる。
要するに近隣の世界に拠点があることをほのめかしているのだ。
そうなると可能性は低いが人海戦術が可能な管理局にはやてを見つけられる恐れがある。
ならば、追跡されてはやての居場所を知られぬように速やかに撤収するべきだ。
今ならば地球というところまでは絞り込めても海鳴市にまで自分達の拠点を絞り込むことはできない。
拠点を動かすという手もあるが病気のはやてには無理な選択だ。
僅かでも主の身に危険が及ぶのなら主を優先する騎士達だからこそ離脱の道を取る。
「抵抗しなければ、弁護の機会が君にはある。同意するなら、武器を捨てて」
「生憎、捨てる武器なんて持ってねえんだよ!」
「行くぞ、ヴィータ」
ヴィータとザフィーラは最速でその場から離脱を計る。
その場で戦えばなのはを守らなければならないフェイトとユーノは圧倒的に不利だ。
だが、それは誇り高き八神はやての騎士のするべき行いではない。
二人は言葉を交わすこともなく互いに理解し合い潔くその場から去った。
「ユーノ! なのはは!?」
「大丈夫、気絶してるだけだよ」
「……わかった。お願い…っ」
最後の言葉に込められた想いは悲痛なものだったがそれでも無事であることにホッとする。
本来の冷静さを取り戻したフェイトは自身の役目を果たすべく勢いよく空へと駆けあがる。
そしてすぐに腰まで伸ばしたオレンジの髪に勝気な青い瞳を持つ自身の使い魔、アルフが足止めを図っているのが目に入った。
「フェイト、こいつはあたしがやるよ。同じようなタイプだしね」
「分かった。気を付けて、アルフ」
短い言葉ではあるが愛しい主からの確かな激励を受けてアルフは力を込めてザフィーラに右ストレートを繰り出すが容易くいなされてしまう。
お返しとばかりに相手も蹴りを繰り出して来るがそこに覇気は無く、この場から徹底することを優先させていることを伝えた。
だからと言って、通してやる道理は無い。
彼女は犬歯をむき出しにした獰猛でいて美しい笑みを浮かべ語り掛ける。
「そうつれない事をしないでくれよ」
「…………」
だが返って来たのは鋭い拳の一撃だけだった。
素早くそれを交わしたアルフは笑みを消し鋭い眼光を相手に向ける。
「返事が拳ならこっちもお返ししないとね!」
互いの拳がぶつかり合い衝撃波が生まれる。
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