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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第69話 敵は人類最強
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いのか?」

 声が、自分でもわかる程に、低くなった。イラついているのもわかる。

「は、その……リーザス貴族の反乱は、未だ続いているのですが、一度撃退した、白の軍、青の軍がゲリラ化したとかで……」
「ゲリラ、だと……? 正規軍がか。追い詰められて、正面から戦えないだけではないのか?」
「いえ、貴族の支配下にある領民に混じり、情報の分断、捜査をくり返し行って、人心を操って反乱自体を沈静化させているとか……」
「人心操作だとっ……!?」

 パットンは、立ち上がった。反乱がもっと激化すれば、更に追い風が吹くのだが、それを沈められては追い風どころか、完全な逆風だ。手駒となる反乱軍達も抵抗、解放軍に流れてしまう為だ。
 そして、何よりもその操作は人間などよりも、もっと優れた者達が自軍にいるのにも関わらず、後塵を拝している事に、パットンは怒りを覚えた様だ。

「それはまさしく魔人がやっていた事だろう! 魔人どもは何をしておるのだ!」
「さ、さぁ それは…… 魔人の動向は、我々には殆ど聞き及んでおりませんので……」

 パットンの怒声を浴びて、伝令兵は立ち竦んでしまった。だからこそ、更に怒りが増し、パットンを苛立たせる。

「ッ! ノス! ノスはどこだ!」

 直ぐに魔人の1人であるノスの名を呼んだ。

 この場にいる、気配を感じなかったのだが……。その巨体で、何処に隠れていたのか、と思える程 突然気配が現れた。

「……いかがなさいました」

 突然現れた事に、動揺をする事もなく、パットンは続ける。

「いかがも何もない! 北部はどうなっているのだ! そちらにも、魔人はいたのではなかったか!」
「いえ。魔人ではなく、その使徒、ですな……。とは言え、今はおらぬ様ですな」
「おらぬで済むか! なんとかしろ!」

 小馬鹿にされている、とでも思ったのだろう。パットンは更に声を荒らげて、ノスにそう言う。……ノスは、嘲笑をしているのだが、その表情は見えない。

「はて、異な事を。この城を奪った時点で、我々の動きは軍には束縛されぬ……。そう言うお話であったかと」

 そう、魔人との契約……と言ってもいい。正式に調印を交わした訳ではなく、口約束の類でしかないが、このリーザス城を一気に制圧するまで、最大限に手を貸す事を主としていたのだ。
 その力は絶大であり、魔人の力があったからこそ、こうまで迅速に制圧をする事が出来た、と言っていい。ヘルマン側の功と言えば トーマによる制圧。死神と称される、リーザス最強の軍人リック・アディスンを 魔人の催眠術が発動するまで足止め 程度なのだ。

 だが、パットンは そんな事はどうでも良い、と言わんばかりに続けた。

「状況が変わったのだ! 戦争では、そんな事、いくらでも
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