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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第69話 敵は人類最強
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を訊いたユーリは軽く首を振る。

「ああ、何でもないよ。誰かいた様な気がしただけだ。……町の活気も、徐々にだが戻ってきている。よく考えたら、誰が至って不思議じゃない。悪い気配の類じゃなかったしな」
「そう、ですか。判りました」

 かなみも安心した様に頷いた。敵側がもしも町へ……と考えれば 不安になる事もあるが、ユーリがこう言うから。……信頼できる人が傍に居てくれて、そして 言ってくれているから、心配はないんだ、とかなみは思っていた。
 ……忍者としては、ちょっとどうかと思うけれど。


 そして、4人は レッドの町、解放軍司令本部へと向かうのだった。









 

〜リーザス城・謁見の間〜



 リーザス側が 休息を取っていて 準備も着実に進んでいる時。ヘルマン側も 何もしていなかった訳ではない。ジオの町に 集結をさせていたのだ。

「進攻部隊は――……トーマの部隊、本隊はどうしている?」

 パットンが玉座に座したまま、控えている兵士に訊く。兵士は、一歩前に出て、跪くと 続けた。

「はっ。現在 ジオにほぼ全軍が集結しつつあります。編成が完了次第、レッドへ進軍予定です」
「ふむ……。トーマなら どうとでもなるだろう」

 その報告に、鷹揚に頷いた。それを横で一緒に訊いていたハンティも頷いた。

「まぁ、負ける事は無いでしょ。多分、ね。リーザスの全軍と、正面からぶつかる訳でもなし。……まだ わかんないけど」

 ハンティは 頷きつつも言葉を濁した。
 確かに、トーマは兵としても、将としても 一流の上に、超が幾つもつく。豪傑揃いのヘルマン軍にあって誰もが迷いなく最強と推す男だから。

 ハンティが言葉を濁す訳は、解放軍側にあった。

――もしも……、解放軍の中に あの男(・・・)がいたとしたら?
 
 以前、手合わせをした事もある。あの時は 確かにトーマにも匹敵しかねない底力を感じた。ハンティは 身に染みて知っている言葉がある。

 勝負は、最後まで判らない。そして、何かを守ろうとする者は、強い。だ。

 無謀と勇敢は違う。絶対的な強者である、魔人に何の対処もなく無策に突っ込む様な人間ならまだしも、自身で考え 策を練り、最善を尽くす。更には 何かを守るために戦う。
 そんな人間は強い。敵でも、味方であってもだ。 

「……ハンティ?」

 パットンは ハンティの僅かながらに、俯かせた表情を見て、疑問が頭に過ぎったが、兵士の報告が再び続いた為、視線を外した。

「……ですが、パットン皇子。その、北部が……その分、手薄になっております」

 その報告を訊いて、もうハンティの表情など 頭から離れてしまう。

「……まだ、片付いていな
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