第3章 リーザス陥落
第69話 敵は人類最強
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〜レッドの町〜
レッドの町は 復興が続いているとは言え 戦争によって出来た爪痕が生々しく残っている。赤い建物が多いのだが、その傷跡のせいもあり、むきだしになってしまっている地肌を見れば、よりいっそう悲惨さが判ると言うものだ。
「すっぱぱぱぱーーんっ! ここが戦後の爪痕も深い レッドの町でーーーすっ!!」
そんな中に、陽気な声が響き渡る。何処からともなく現れたのは観光ツアーの2人組だ。
「赤煉瓦で構成された、赤で統一された街並みが何よりの特徴ね。まぁ 今は仕様がないとしても。……昔の都市長が無類の赤好きで、こんな風にした、とか言われているけど、実の所、原因はよくわかってないみたいなの」
因みに、解説しているのが、文句を言いつつも、一緒に行動をしている魔法使いの少女、アテンであり、きゃいきゃいと、はしゃぎつつ、アテンの話を訊いているのが、ジュリアだ。
さて、ここで疑問が生まれるのだが……、ツアーガイドはアテンではなくジュリアだった筈。……その能力は皆無だけど。いつの間に代わったのだろうか。
「あー、それ ジュリアちゃんが訊くよー! なれーしょんさんっ! っとと、まずは町の事、だね! 赤が好きかも〜なんだ! そーなんだ! だから 真っ赤なんだねー! 面白ーーいっ! ……っと、感想を言い終えたから、訊くよー! アテンちゃん」
「……前振りが長いわ。 で、何かしら? ツアーガイドさん」
アテンは、やれやれ、とため息混じりにそう訊いていた。無論、ジュリアが話しているもう1人? の《なれーしょん》の事は盛大にスルーして。
兎に角 ツアーガイド、とジュリアの事を呼んでいる以上 彼女がガイドとなった訳ではなさそうだ。……役割はしっかりと果たしている様だけど。
「ツアーガイドの役って、ジュリアちゃんの仕事なんだけど。なんでアテンちゃんが説明してくれてるのー?」
ジュリアがその疑問を口にした途端に、再びアテンはため息を吐いた。
「……あなたがまともにやらないから、私がやる事になってるんじゃない。任せてたら、知りたい事も知れないし、自分で調べた方が断然早いの」
と、言う事だった。アテンは苦労が尽きないのである。トラブルメーカーとは少し違うが、ジュリアに振り回され続けているから。
「はぁ……、続けるけど、レッドの名産品はしゃもじよ。職人の工房で、毎日数多くのしゃもじが作られているわ。……工房も再開してるみたいだし、活気を戻す、って事もあって 頼めば、しゃもじ作りを体験させてもらえるみたいだけど。やる?」
「はーーーいっ! やりまーーす! よーし、という訳で、早速!」
「あ、そっちはまだ後。先に腹ごしらえよ。それなりに歩いたし、時間的にも、だし。レッドの特産品と言えば、何
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