第三十四話 秋山大尉!井伊直弼も陶芸をしていた!!その九
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「夏の暑さ、冬の寒さは」
「そうだよな、それで冬の京都か」
「暖かいもの食いたいな」
「南禅寺の湯豆腐にするか」
「悪くないな」
また食べものの話をするのだった。
「あそこなら一見さんお断りじゃないからな」
「高いことは高いけれどな」
「高校生の姿でも入られるし」
「行くか」
こうしたことを話してだった、二人は。
意気揚々と京都に向かうことにした、そして。
対する日帝衆の方はだ、何をしていたかというと。
西郷は日帝衆の陶芸工房において自ら陶芸をしつつだ、共に陶芸を学んでいる桂と大山に対して言った。
「今度はでごわす」
「はい、陶芸ですね」
「これで勝負ですね」
「そうでごわす」
まさにというのだ。
「悠木大将、秋山大尉がです」
「場所は平等院鳳凰堂」
「あの建物の前で、ですね」
「陶芸で勝負をする」
「そうなっていますね」
「そうでごわす、陶芸もまた」
西郷はろくろを回しつつ穏やかな声で述べた。
「人の道でごわす」
「こうして作り、ですね」
「人の心を養っていくのですね」
「ただ作るのではなく」
「心の鍛錬でもありますで」
「おいどんも励んでいるでごわす」
今の様にというのだ。
「いいものでごわす」
「元老は趣味が多彩ですね」
「柔道、剣道、居合道だけでなく」
「書道や学問、絵に加え」
「陶芸もされていますね」
「心身を養うものでごわす」
だからだというのだ。
「こうして励んでいるでごわす」
「そうですね、では」
「我々もです」
「こうして陶芸においても」
「心を養っていきます」
「では、でごわす」
ここでだ、西郷は。
自身の前にいる陸軍衆の軍服の者、今回出撃する秋山光一大尉長身痩躯で面長で癖のある髪型の彼に言った。
「秋山大尉、頼んだでごわす」
「畏まりました」
秋山は西郷に陸軍衆の敬礼で応えた。
「これより鳳凰堂に出陣します」
「武人として恥じない戦いを頼むでごわす」
「承知しております」
秋山は毅然とした声で応え出陣した、そして。
瞬の前にも参上した、その時にはもう瞬も陸軍衆の軍服を着ていた。その軍服姿の瞬に対しても言ったのである。
「大将、では」
「はい、お迎え有り難うございます」
瞬の自宅前だ、ただし彼女の正体は家族も誰も気付いていない。
「ではこれより」
「京都に参りですね」
「戦いです」
「陶芸の用意は出来ていますね」
「既に準備は出来ています」
その勝負の場でというのだ。
「土も」
「わかりました、では」
瞬は確かな声でだ、秋山の言葉に頷き。
そしてだ、二人で京都に向かった。
二人は京都のその宇治平等院鳳凰堂において例の二人と対峙していた。
見れば二人はだ、満足し
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