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少年と女神の物語
第百十九話
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れいさっぱりなくなったので。

「・・・ぼろっぼろのところ、ってか俺のせいでそんな状態になってるところ悪いんだけどさ。下まで運んでもらえませんか?」

 と、さすがに申し訳なく思いながらもペガサスに頼み込むと、不満げにしながらも襟首を口で加えて運んでくれた。まあ、うん。まだ見捨てられなかっただけマシかな。最悪見捨てられてもいいように沈まぬ太陽(パーマネンス・レイ)を使ってはいたんだけど。

 とまあそんなわけで。風神雷神も無事倒せたことだし、珍しくまだ一回も死んでないしで若干の感動のようなものを抱きながら顔を上げてそん景色を目に焼き付け


 絶句した。


 今後しばらく絶句という表現を使うのを避けようと思うくらい絶句した。
 これまでに使用してきた絶句という表現の全てに謝りたくなるくらいに絶句した。なにせ、うん。


 奈良が死んでいた。比喩表現でもなんでもなく、奈良が死んでいた。


 市街地の建物の全ては吹き飛ぶかぶっ壊れるか。世界遺産とか文化遺産とかなんかその類に指定されそうな建物は逃げ回る中で破壊されてたり破壊してたりいっそ武器に使ったり。最後の散弾を撃ち返されたことで小規模のクレーターはあちらこちらに。
 ・・・・・・・・・
 電話を、取り出した。

「ああ、薫か?とりあえず、さすがに、謝るだけ謝らせてもらう。・・・マジすまん」

 一方的に言うだけ言って、電話を切る。そしてその直後に来た権能が増えた重みにそのまま。
 意識を落とした。

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