第百十九話
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体が灰色っぽかったのに対して、こちらの神の色は緑っぽい。他に見た目で違うところがあるとすれば、太鼓ではなく大きな袋を・・・風袋を持っていることだろうか。
そんな姿を見せられれば、俺でもこいつの正体は分かる。というか、神話とかに詳しくない人であろうとも見た目だけで正体一発だ。そして、うん。
「・・・最初っから、正体自分で言ってたのな」
そう、こいつら・・・ってかこいつ最初っから自分の名前言ってた。片方はしゃべってた記憶ないんだけど、もう片方はかなり言ってた。『風神たるわれがいるべきは』なんたらかんたらとか、『我は風神であると!』とか。
それを俺はただの神としての、神格そのものの属性だと考えてたわけなんだけども。そうじゃなくてこの神そのものの名前だったというわけだ。風神雷神の二対で知られてる神様そのもの。それが今回の俺の相手。
そうだと考えてみれば、確かにああやって風神を相手にしてる俺に背後から雷神が攻撃できるよな。誰かに対して語り掛けるようにもなるよな。うんうん、納得納得。
「・・・・・・って、なんだそりゃあああああああああああああああああああ!!!!!」
ふざけてんのかこいつ。そう言う思いを込めて思いっきり叫ぶと、幾分か冷静に戻れた。ついでに俺の大声に驚きすぎたのか、この二神も固まってる。こいつは好都合だ。そう考えて俺は再び跳躍し、前方にいた雷神に飛びつく。
『・・・・・・ッ!?』
「ああ、そういやお前は一切しゃべってなかったな・・・ま、んなことは関係ねーけど!」
さすがにこの瞬間に無抵抗ではいてくれなくなったので、手早く作業を進める。蚩尤の力で鎖鎌(アホほど長い)を作成。鎌の部分を雷神の体に突き刺し、ついでに捩じりこんだのちに殴りつけて鎌の部分を雷神の体に埋め込む。ここまですればそうそう抜けないだろう。
『相方から離れてもらおうか、神殺し!』
「ん、りょーかい」
と、やることも終わったので風神に邪魔される前に雷神から飛び降り、そのまま落下を始める。当初の考えではこの状態に持っていくまでに二回は死んでいそうだったのだが、俺の大声に対して反応するというラッキーのおかげでそれも避けることが出来た。続けての落下の中でも、雷雲は俺には意味がない。後の問題としては雷神側が浮いている時間がどれだけ長いか、なのだけど・・・
「俺の重さで落ちてくることはないだろう。だったら力づくで叩きつける!」
濡れ皿の怪力を上空で鎖鎌を介してつながっている雷神を対象に再発動。当然ながら体重は増えないが異常なほどの怪力は手に入るので。
「落ちろ・・・雷、神!」
分銅をつかみ、鎖を肩に乗せる形で引っ張り、無理矢理に叩き落とす。イメージとしては体育の授業でやった柔道の背負い投げ。それを勘
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