第百十九話
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」
その瞬間、天を覆う雲を貫いて俺の元にかけてくる影がある。それは、翼を持つ馬。かつては神として崇められていたが、ギリシア神話に吸収され、ゼウスの雷を届ける神獣となった存在。
「我がもとに来たれ、ペガサス!」
明らかに俺の味方であるペガサスに対して当然ながら攻撃が加えられるが、何とかよけてこっちまで来てくれた。よく来れたな、オマエ。意外と根性あるという新発見だ。
と、そんな新しい発見を見せてくれたペガサスにすれ違いざま捕まり、どうにかこうにかその背にまたがる。そのまま指さすのは空。
「あの空の上まで!」
短いがこれ以上は必要ないであろう指示を受けて、ペガサスは空を目指す。向かってくる雷は全て俺の肩当てに吸収されていき、暴風とそれに伴って飛んでくる物体は物だけ雷で叩き落としてそれ以外は根性で耐えてもらう。俺がそういう類の権能でも持ってればよかったんだが、生憎と持ち合わせには存在しない。
『神殺し、おぬしこちらまで来ようという魂胆か!』
「こっちの攻撃が当たらなくてそっちから一方的に攻撃され続けてんだ。んな状況で戦い続けられるほど素直じゃないんでね!」
そう言いながら、飛んできた看板に向けて槍を投げる。ヒルコの時と言い、どうにも看板には縁があるような気がするな、俺は。とまあそんなことはどうでもよくて。
「ほらほら、あと少しでそっちまで行けるぞ!」
『そうはさせぬよ、神殺し!のう?』
と、相も変わらず奇妙な誰かに尋ねるような口調(返事がないからおかしくしか感じない)。それをもう気にもしなくなってきたところで空を覆う雷雲に近づき、超巨大な落雷に襲われる。
「・・・・・・は?」
もはやそんな一言しか漏れないレベルで巨大。こんなもの、落雷じゃなくて光の柱ってレベルだろ。それその物にダメージはないわけなんだが、打ち付けられる威力そのものに押し戻される。
「あー、クソ・・・悪い、ペガサス」
ウッコの時と言い、なんだかなぁなのだが・・・俺は筋力の強化を呪力で無理矢理に足に回し、ついでに舞台裏の大役者をつかって跳躍力を強化。ペガサスを足場にして一息に跳ぶ。
雷雲の中。ここで喰らう雷のダメージは存在しないので無視し、
「我は水を司る!」
同時に、雲を構成する水の一部を支配下に置く。それを足元に集め、舞台裏の大役者で自らを水に立てるように変更。再びの跳躍。そうして雲を突き抜け、正面にいる神を見る。
その神の見た目は、鬼であった。
一般的に知られているような、角が生えて、半裸の鬼。その身そのものは雷雲のような黒い靄の上に乗っており、彼を囲むように輪形になっている太鼓がある。
そこでまさかと思って後ろを見ると、そこには似たような風貌の鬼が。
先ほどの鬼は
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